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時間(馨視点)

『馨!』 汗だくになりながら、駆けてくるのは あの頃より大人になった君 線の細さは、変わらないけど 一段と綺麗になった 両腕を広げると、当然のように飛び込んでくる 見上げる顔には、汗で髪が纏わりついている 髪の黒さがより、肌の白さを強調している 幻か現実か、確かめるように頬を撫でる 「環......だ」 「馨......。逢いたかった......こっち」 手を引かれるまま 素直についていった 自分にも......環にも 時間がないのは、わかってる

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