───きっかけは、先生からだった。 なんでだか 昔っから俺は 頭が よくて 苦手な教科も特になく 勉強しなくても 点が取れる 所謂、優等生ってヤツだ。 その中でも 「数学」は 得意中の得意で 常に 学年トップの成績をキープしていた。 そんな順風満帆な学生生活を過ごしていた ある日の放課後─── 『あ！ねぇ、キミ。数学検定 受けてみない？』 『･･････え？』 声をかけてきたのは １年生の時の数学の担当教師。 この数学教師(せんせい) 色が白くて、線が細くて、 男にしとくのが勿体ないくらいの･･･「美人」だ ───って ( クラスの女子が) 騒いでたっけ。 美人･･･ねぇ。 確かにキレイだけど････男だもんなぁ。 まあ、男にも告白されたって 噂もあるみたいだけど。 なんて関係ない事を思いながらも そのまま廊下で 簡単な説明を受けて 面白そうなのと 自分の力を試してみたいって 気持ちもあって すぐにＯＫした。 別れ際、 『放課後に みんなで勉強会するから 　キミも おいで。』 そう言って、日程表を渡された。 正直、そういうのは面倒くさいな････ と、１度は断ったけれど、 過去問のプリントとか、採点とか 学校の方でやってくれるらしく それなら楽でいいや、って思い直して 参加することにした。