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『先生・・・・・』 思わず、抱きしめたくなって 手を伸ばしたけれど、 気配を感じたのか 先生は下を向いたまま 首を横に振って それを止めた。 『・・・・・・・ごめん。  キミを悩ませて。  曖昧にして、逃げて・・・・。  キミに、「好き」って言わなかったのは  俺が・・・弱いからだ・・・・』 『先生・・・・』 『あれから、誰かを好きになるのは  初めてだったんだ・・・。  でも、キミは生徒だし、男だし・・・  言葉にするのが怖くて  あんな やり方で  体だけでも、って思って・・・・  拒まれたら諦めようって。  でも、キミは俺を拒まなかったから  ・・・もしかしたら、って期待して。  この関係を続けたら  キミから言ってくれるんじゃないかって  ズルい事、考えてた。』 『先生・・・・』 また、涙がポツポツと落ちていく。 『俺・・・・キミが、好きだよ。』 『先生・・・・。』 『好き・・・・好きなんだ。』 『先生・・・。  俺・・・も・・・・俺も好き。  先生が・・・・・・好きだ。』 俺の言葉に、先生は やっと 顔を上げた。 『俺・・・・・バカだ・・・・・  もっと・・・早く言えばよかった・・・』 『・・・・ホントだよ。』 『ごめんね・・・・』 『・・・・・・・・・うん。  ・・・・いや、許しません。』 『え・・・・・?』 この流れだと「いいよ」って 俺が許してくれる、って思ってたんだろう。 予想外の言葉に先生が固まる。 一方、俺は予想してたとおりな訳で。 いちいち反応がかわいいくて笑える。 『ホントに悪いと思ってるんなら  “ 好き “ って、ちゃんと俺の目を見て  俺の名前 ちゃんと呼んで 言って下さい?』 『・・・・・・・・・え?』 『ほら、早く。』 好きだって言ってもらえて嬉しい。 先生の指輪の秘密も よーく分かった。 だけど・・・・・ さっきまでの "この世の終わり" みたいな真っ暗な気持ちと ずっとずっと 思い悩んだ あの苦しい日々を 思い出して・・・・ 悩ませた分の仕返しに強気に言ってみる。 内心、心臓バクバクだけど。 先生はしばらく 固まって 考えていたけど・・・ ギュッと両手を握り合わせ ふぅ と 小さく息を吐き 口を開いた。 『こ・・・孝之介・・・くん・・・・』 『はい。あ、目 見て?』 『え・・・・・//// あ、あ・・の・・・・・俺・・・』 『はい。どうぞ。』 『あ・・・・・・・・・・・・・・・・/////』 口をぱくぱくさせながら 真っ赤になってく先生。 うわ なんだこれ・・・・・ すげー・・・・かわいい。

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