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第1話
どうして。
どうして、どんなに努力して生きていても、過去は消せないのだろう。
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「う……ッ、うぅぅ……ッ……!!」
無人駅の身障者用のトイレ。
俺は壁を支えに、自分から臀を突き出して、いやらしく腰を振っていた。
こんな。
見られたら即捕まってしまうような事をしているのに、身体は熱くなり、快楽に支配された頭は俺に正しい判断をさせてくれない。
「はは……ッ、オレのこんなスゲー締めてきて、ホント変態だね……義父さんは……ッ……」
「うぅ……ッ、うぁ……あぁ……ッ!!」
誰よりも大切だと思ってきた、血の繋がらない息子、翔悟。
そんな翔悟に一番奥深くまで突かれてそのまま中に射精されると、声を殺す事も出来ないくらいの快感に襲われ、そのままイッてしまう。
「はぁ……っ、義父さんのナカめっちゃヒクヒクしてて気持ちいい……ッ、このままもう一回出来そ……っ……」
「……ぁっ、ま、まって、待って翔悟……」
俺の中に入ったままの翔悟のソレは未だに熱く脈打っている。
このまま再び突かれたらどうなってしまうのだろう。
その恐怖から、俺は翔悟に何とかこの行為を止めさせようとした。
けれど、それは全くの無意味どころか、翔悟の心の火に油を注いでしまった。
「はぁ?義父さん、オレに逆らうの?逆らったらどうなるか教えてあげてるよね?」
「うぅ……ッ……!!」
一番弱いトコロをぐり、と先端で擦られ、声が出てしまう。
「『血の繋がらない息子と性的関係を持った変態な父親』って知れ渡っちゃったらもうこうしてオレと気持ちイイ事出来なくなっちゃうよ?そんなの、義父さん堪えられないよね?オレに犯されるの、義父さん大好きだもんね……ッ……」
「あぁッ、しょうご……ぉっ、も、ゆるして……うぅっ……!!」
激しく腰を使って、俺を攻めたてる翔悟。
「ちゃんと謝れって」
「ご……っ、ごめんなさい、ごめんなさい……ッ……!!」
「分かればいいよ、義父さん。許してあげる」
翔悟。
繊細で心優しい君を、俺はこんな風に変えてしまった。
俺の過去が君を壊してしまったんだ……。
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