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《緩やかな決着》

四月半ば、春真っ只中の暖かい風が吹き抜ける頃… アキラとみずきはいつもと変わらず生活していた…。 今日は健次先生の病院で飼ってもらっているアキラの犬たちを二人で散歩しながら連れて帰る約束の日だ。 「よし、準備オッケー」 アキラは外出できるのと、犬たちを連れて帰れるのでとても嬉しそうだ。 幸い熱もなく健康そうなので、みずきも安心する。 「なら、行こうか、アキラ」 嬉しそうなアキラに、そっと肩に触れて声をかける。 「ん、天気良くてよかったな」 外に出ながら空を見上げて答えてくれる。 「そうだな、散歩日和だ…」 頷いてアキラの横に寄り添い歩くみずき。 今日は散歩ということで…動きやすい服装をしているアキラ。 黒系のスニーカーに膝下の迷彩柄ズボンに水色系の薄手フードつきトレーナーを着て、髪の毛はひとつに結んでいる。 少し大きめなサイズの服を着ているアキラは、抱きしめたくなるくらい可愛い。 行きは公共機関を使って行くと決めていたので、近くのバス停で、バスが来るのを待っている二人…。 「…二人でバス乗るの、クリスマス以来だっけ?」 バス停のベンチに座ってみずきに聞く… 「そうだな、あの時はアキラ、寒そうだった…」 頷いて、思い出しながら言う。 「真冬だったしな…暖かくなってよかった」 「アキラは冬より夏の方が好きなんだな」 「寒いより暑い方がまだいいからな、寒いと行動する元気なくなるし、でも季節なら春が一番好きだな。過ごしやすいから…」 「そうか」 「ま、花粉症の人には辛い季節かもだけど…みずきはどの季節が好きなんだ?」 「特別好きな季節もないから…でも、夏は少し嫌いかもしれない…」 「なんで?」 「…夏は、アキラが…暑がって離れていくから…」 ぽそっと理由を伝えるみずき。 「ふっなんだよそれ」 吹き出すように笑う。 「暑いと手を繋いでくれないだろう?」 そっと、うかがうように聞いてみる。

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