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第3話

「まぁな、でも無駄に接触してると汗かくしなぁ…」 わざと試すように言うアキラ。 「…あぁ、だからアキラの好きなようにしたらいいから、不快に思わせたくないし…」 頷きながら、自分の気持ちよりアキラを優先する答えを伝えるみずき。 「お前って、ホントばかだよな…」 そんな不器用なみずきを見て、優しく話すアキラ。 「えっ?」 「ソンな性格、でも、お前のそうゆうとこオレは好きだけど…」 すっとみずきの手を握って伝える。 「…アキラ、ありがとう…」 好き…その言葉にみずきはドキっとしてしまい…嬉しさから優しく手を握り返してお礼を言う。 「礼言うことかよ…」 ちょっと呆れつつもアキラは微笑む。 冷たく突き放しても、接触を禁止しても、結局はみずきを傷つけただけで… 今も一緒にいるのが現状だから… 迷ってはいるが…一緒にいる期間ぐらいみずきを喜ばせる言葉を使うようにしたいと思うアキラ。 みずきを傷つけたいわけじゃない…自分だってみずきが笑っていてくれる方がいいから… あと少しの期間… 「バス来たから行こ」 アキラは柔らかく微笑んで、みずきを促す。 「あぁ、行こう」 みずきは繋いだ手を離さず、アキラを気にかけながらバスへ乗り込む。 たわいない会話をしながら健次の病院までたどり着く… 「健次さん、忙しいかな…」 病院内を歩きながら呟くアキラ。 「どうだろう…丁度時間があいていればいいが…」 「うん…」 一階の医局を覗いてみるが健次らしい人物は見当たらなかった。 しかし… 「お、またお前らか、最近よく見るなぁ…」 声をかけてきたのは健次と仲の良い亜澄先生。 「うわ…出た、」 あからさまに嫌な顔をするアキラ。 「なんだぁ、ご挨拶だな、ちょっとは愛想ってもんができないのかっ、たく」 軽く怒る亜澄先生だが…

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