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第20話

「そうなっても、オレは怒ったりしないから…嫌になったらちゃんと伝えてな」 たぶんみずきは嫌なコトがあっても我慢するから、損な性格だから… でも…分かってる、みずきを束縛し続けてはいけないということ… だから…みずきもオレに興味が無くなったからといって恨んだりしない。 別れるときも感謝して別れたいから… 出来るかわからないけど、そうありたい… そう先を想ってしまう。 「アキラ…この程度のコトで嫌になったりしない、考え過ぎだから…」 やや俯き、視線を外して微笑むように言うアキラを見て、そっと髪に触れながら伝えるが… 「今はいいって…じゃ休憩しようか、頭使ったから寝れるかもよ」 アキラは優しい笑顔に戻ってみずきを促す。 しかし、みずきはなんだかすっとしない気持ちが残り、もう一度伝える。 「アキラ…俺は、アキラの病気が良くなる方法があるなら試したいし、他に方法がないか探していきたい、アキラが楽になるならなんでもしてやりたい気持ちでいるから…」 やはり真面目なみずき。 病気のことで嫌になったりしない、いくらでも力になりたいと思っていることを… その気持ちをしっかり伝える。 「……ありがと…」 でも、気持ちだけていいから… こころの内で、そっと付け足して思うアキラだった。 「あぁ…」 言葉を飲み込んだようなアキラを見て…気になるみずきだが… 「さ、そろそろ休も…」 笑顔で誘う。 「そうだな…」 アキラの先ほどの言葉にやや不安感を抱きながらも…これ以上は深く聞けないみずきだった。 みずきも頷いて夜間の仕事のために身体を休めることにする。 愛する人を腕に抱き寄せ、しばらく会話を交わしながら…いつしか入眠するみずき。 アキラもつられて眠ってしまうが… みずきより早くバイトに行く為に、携帯のアラームをかけていたので、アラームが鳴り目を覚ます。 「…ん、時間か…」 目をこすりながらアラームを止めるアキラ。 「…アキラ」 その動きにみずきも目を覚まして聞く…

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