24 / 51

第24話

昼を過ぎた頃、アキラのケータイにフミヒコから電話がかかる。 「はい、フミヒコさん?」 着信相手を確認してから電話にでるアキラ。 『あぁ、連絡が遅くなってすまなかったね』 相変わらずの調子で話すフミヒコ。 「あの、契約の件なんだけど」 さっそく本題に入る。 『あぁ、決心は着いたかい?』 「時間、分割にできない?」 『分割?』 「そう、フミヒコさんの条件は一日オレが傍にいるってコトだから…24時間を3で割って、8時間を3日にしてもらえないかな…時間的には違反にならないでしょ?バイトもあるし、24時間拘束は難しいから…」 『ほぅ…まぁ私はそれでも構わないが、ならば最初の日はどうする?』 「フミヒコさんが指定した時間に合わせるから…出来るだけ日中がいいけど…」 『そうだね、明後日の昼間はどうだい?』 「明後日…」 バイトの勤務表を見ながら考える。 自分は休み… みずきは…明後日は昼、仕事…夜は休みだけどきっと勤務交代で深夜行くんだろうから… 『駄目かい?』 「ううん…分かった明後日…」 『では、君に用意した部屋に10時でいいかい?』 「うん、じゃ、10時から18時まで、ってこと?」 『分かりやすいだろう?』 「分かった、じゃ…明後日10時に、」 『あぁ。楽しみにしているよサクヤ』 そして電話を切る。 なんとか最初の約束をすることが出来た。 一日家をあけるよりは、日中だけの方がみずきも納得しやすいだろうし… みずきが心配するのは目に見えているけれど…隠さず話していくように、そう話し合ったばかりだから。 話さなくても心配するんだから、話して納得してもらう方がいいと思って… 幸いみずきは仕事だし、付いてくることはできないだろうから。

ともだちにシェアしよう!