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第26話
「それと、明後日にフミヒコさんとこ行ってくるから」
伝えづらいことだが、ちゃんと伝えるアキラ。
「…そうか、明後日、俺は仕事だな」
やや表情が曇るみずきだが…
「ん、だから、心配しなくていいって、夜も代わるんだろ?」
アキラは安心させるよう言って聞く。
「あぁ、本当に大丈夫か?」
一人で大丈夫?と…
「大丈夫、隠さずに言ったんだから進歩しただろ?」
はにかんだように笑いながら言う。
「そうだな、とにかく気をつけてな」
そんな表情にもドキッとしながら、しっかり頷くみずき。
以前のアキラなら、なんでも隠してしまっていたから…
「OK、そうそうフミヒコさんに会うの3回になったから、3回会えば全部終わる」
ついでに契約内容も少し伝える。
「…なぜ3回に?本当に終わりになるんだろうな」
不安が過ぎって疑ってみる。
どうもあのフミヒコとかいう奴を信用出来ない。
「約束は守ってくれるはずだけどな…大丈夫、ちゃんと終わりにするから」
いざとなったらきっちり金払って終わりにしてもらうし…
「あぁ…」
「じゃ、みずきは少し休んでなよ、昨日から働き通しなんだし」
「俺は平気だから、それに犬の散歩は?」
犬を連れて帰ったらこの時間に一緒に行こうと決めていたから…
「オレが行ってくるから平気」
「いや…ストーカーがいるかもしれないから一人で出歩かないでくれ」
頼むように言うみずき。
「いてもリッツたちが撃退してくれるって、なっ」
犬たちを撫でながら言うアキラ。
「しかし…」
やはり心配するが。
「いいから、さっさと寝る!」
痺れを切らしたように、みずきの髪をくしゃっと手で撫でてアキラは命令っぽく言う。
「…わ、分かった、じゃ少しだけ…気をつけてな」
確かにあまり寝ていないので身体を休めたいという欲求もあるが、それ以上にアキラが心配でもあるみずき。
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