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第30話
そしてあっという間に日は過ぎて…
アキラがフミヒコと会う日がやってくる。
相変わらずみずきは昼夜働き通しで、アキラとは少しの時間しか一緒にいれないが…
それでも許されるかぎりアキラの傍にいるみずき。
足の不調を訴えていたアキラは、疲れが出たせいだったのか、しっかり休んだおかげか、あれ以来、足の調子が悪くなることはなくて安心しているが、以前より立ち上がりの際は慎重にするようになった。
外出の際はみずきが、かなり気をつかっているため、ストーカーも姿を見せなくなって安心していた。
今日はフミヒコのトコへ行くため準備をしているアキラ。
みずきは朝からコンビニ店員の仕事に出掛けているためいない。
アキラはフミヒコのマンションに行く為に家を後にする。
フミヒコのマンションまではタクシーを使って行く…早めに出たため、10分ほど早く着いた。
微妙な時間だったが、アキラはフミヒコのマンションに入っていく。
少しの間だけ暮らした場所…
なのにフミヒコともみずきともセックスした場所なんだよな…
みずきを騙して…
バレたらみずきに嫌われればいいと…
自棄になって…
けど…みずきは……
そう考えていると、マンションのアキラ専用の部屋の前までたどり着く…
みずきとの約束通り、指輪を左手の薬指にはめて…
部屋へ入っていく…
入口は開いていた。
奥へ足を進めると…
「よくきたね…サクヤ。会いたかったよ」
「ども…」
頷くアキラをフミヒコは優しく抱きしめる。
「変わらず綺麗だ…」
スッと当たり前のようにソフトキス。
「……」
キスは仕方ないか…と、スルーする。
「さ、座って」
紳士的にエスコートするフミヒコ。
「うん、呼んだってコトは何か話しがあるんだよね?」
さっそく本題を尋ねてみる。
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