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第八章・2

 健さんが、何か言ってる。  まだ、何か喋ってる。  ああ、でも。ごめんなさい。 「僕、もう何にも考えられないぃ!」  未悠の体は勝手に震え、腰は淫らに波打ち始めた。  男を貪るオメガの、本能だった。 「健さん! ふぁ、あぁあん! ヤだ、ヤだ、もっとやってぇえ!」 「OK。解ってるよ、未悠」 「ふぅ、うぅ。お、奥に。もっと、奥に! 強くぅ!」  二人の繋がった部分からは、淫靡な音が派手に鳴っている。  ローションと、未悠のオメガ体液と、健が肌を叩きつける音と。  しかし、それを上回るほどに未悠は熟れた声で啼いている。  もっともっとと、ねだっている。 「だ、出して。中に、僕の、中に。んぁ、あぁああ!」 「それだけは、できないな」  健は、思いきり射精した。  しかし、それはスキンの中にだ。  薄いゴムを通して、健の波動が未悠に響いてくる。   それは甘美な衝撃だったが、今の彼には不満だった。 「いや。ヤだぁ、健さん。中に、生で……」 「何てはしたない事を言うんだろうね、この子は」  ただ、種付けの儀式に体は反応したらしく、急に未悠は眠たくなってきた。

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