2 / 8

第2話

「蒼。あなたが願望していた、兄弟くり、やっとできるわよ。」 「そうなんだ。」 私が深く願望していたのは兄弟づくりだった。 今まで、兄弟がいなかった。 ちいさいころから兄弟がいることを夢見ていた私。 「瑞樹ちゃんと、悠里ちゃんだって。」 「かわいい名前・・・。早く会いたいな・・・。」 次の日の放課後 「お母さん、お父さん、今までありがとう。たまには会いに来るね。」 「ええ。行ってらっしゃい。耳のことはくれぐれも気を付けて。」 「わかってるって。」 ガラガラガラッ 「!!」 ここが、一緒に新しく住む、マンションか・・・。 えっと、3階の・・・。 ここか。 インターホン・・・。 スッ・・・。 チョンッ 「!!」 「え?」 「誰?」 「ここで、新しく暮らす人なんですけど・・・。」 「・・・?」 聞こえない。 「耳元でしゃべってもらえますか?」 「ここで、新しく暮らす人なんですけど・・・。」 「そうなんですか・・・・。」 がちゃッ 「人の家の前で騒ぐな。」 「瑞樹兄ちゃん・・・。」 瑞樹? 「ちょっとまった!!」 ビシッ 「瑞樹ちゃん?」 ビシッ 「悠里ちゃん?」 「もしかして・・・。」 「蒼君?」

ともだちにシェアしよう!