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第14話
「すごくおいしそうだ」
ぺろりと乳首を舐められる。とろりと肌を滑っていくハチミツを舌で追って、舌はへそまでたどり着く。その感触にぞわぞわと全身がざわめいた。
はっきりした快感ではなく、でも確かに下半身に響いてくる感覚だった。
「なんか、嫌だ」
「そう? つやつやになって舐めてほしそうだよ?」
彼はいたってのんびりとリラックスした様子だ。こんなゆるやかなセックスは初めてで、どう反応したらいいかわからない。
俺がしていたセックスはいつももっと性急で、とにかく興奮するままに入れて揺さぶって出すものだった。でも彼はまったくそんな気配がなく、触れあって会話するのを楽しんでいる。
「洸は日本でもモテた?」
「女子にはそれなりに。男は全然なかったよ」
「へえ。意外だね」
「日本ではゲイだってオープンにしてなかったし」
「そうなんだ。日本の男は見る目がないね。こんなにかわいいのに」
そんなことを囁かれて、どうにもくすぐったくてしょうがない。困って目をそらすと手首を拘束されたままゆるく押し倒された。
上からのしかかられてドキッとした。いつもと逆の態勢で、それだけのことなのに心臓が速くなる。
「ほら、もうこんなになってる」
手が足の間に入って来て、するりとそこを確かめた。
さっきからもどかしい愛撫を受けて、しっかり勃ちあがっている。大きな手で包んで擦られて興奮が一気に増した。ぐっと硬く熱くなる。
入れたい、と思う。それしか知らないから、当然、これを収める先を俺の体は期待している。
「なあ、俺が抱くのは?」
「無理」
ダメ元で訊いてみたが一言で却下された。
「悪くないと思うけど」
「そうかもね。でもダメ」
唇をなぞった指がすっと下に降りて、胸の先でつんと小さな乳首を弾いた。きゅっと摘ままれて捏ねられて、じわじわとした性感が生まれる。
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