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第27話 結末は……分からない。 2

「叶クン、俊て最低なヤツでね。初めて会った日に僕にオシッコかけてきた悪いヤツなんだ」 僕は只今34歳、金髪も赤髪……紅葉色に変えた。 職業は『美しい』からモデルをやってまーす。 「……杉原先輩」 叶クンは呆れたような目で俊を見てる。 「光さん!!あれは俺一歳で、しょうがないって」 「えー、でも事実は事実だよね?叶クン、男見る目はキチンとしなきゃダメだよ」 「先輩……、光さんに謝りましたか?」 「そんな昔のことなんて……。だいたい赤ん坊のときのことなんて覚えてるわけないデショ?」 あの赤ちゃんだった俊も18歳になり、一丁前に『永遠の人』を見付けた見たいで『清水』の家に入り浸ってる。 俊も『分家清水』だね。 よりにもよってスゴくヤバい、世界の大企業『笹倉グループ』の一人息子を相手に恋愛なんてしてるし、僕と紅葉より前途多難だ。 「ほれほれ、俊。叶クンと仲直りに使いなさい」 僕は麦茶を差し出した。 「……なんで麦茶?」 俊は不思議がってるけど、叶クンは僕の苦手な『美しい』顔で笑って。 「光さん、有難う御座います。のど乾いていたんです」 僕より『美しい』叶クンは、正直言うと苦手。 だってさ、紅葉のヤツ『美しい』の好きだもん。 僕も中年だし、今浮気されたら辛いのは僕だ。 僕は時計を見た。 そろそろ茶会が終るから、僕は紅葉の部屋に行ってあのゴミ置き場から拝借してきた、ラブホのベッドよりもキモチイイが良いソファーに寝転がって、『愛人』あの日『本命』になった紅葉が来るのを待った。 僕は多分、今幸せなんだと思う。 これはハッピーエンドなのか? 完

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