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第26話 結末は……分からない。 1
そのあと僕は部屋にあの粗大ゴミとして出されていたソファーを拾ってきた。
春海さんにはコンビニで随分大きな買い物をして来たと笑顔で言われた。
でも、イヤミたらしくなくて、なんか変な気分。
それから改めて自己紹介をした。
紅葉ん家は京都に本家がある名家茶道家一族『清水』の分家らしい。
分家は本家の『掃き溜め』だって言ってたけど、僕からしたら『掃き溜め扱いしてるヤツがグズ』だと思う。
……僕は本名を言うのが嫌だった。
「ヒカリさん、自己紹介です。私たちには必要ですよね」
「……ホシノヒカリ」
「え?」
「……だから『星乃 光』。源氏名じゃなくて本名だから!!」
『星乃 光』それが僕の本名で小雪さんは肩を震わせて笑った。
だから言いたくなかったんだよっ!!
でも春海さんはニコニコ笑顔になったくれた。
「素敵じゃないですか。ロマンストな名前でヒカリさん……光さんにぴったりよ」
僕の母親は僕をこんなふうにぎゅっと抱いてくれたことがあっただろうか。
本当の母親に抱かれるのってこんな感じなのかもしんない。
「光を『愛人』にした」
紅葉は3人(俊は寝てるけど)キッパリとハッキリと言った。
「恋人ではなく、何故『愛人』なのですか」
二人の質問にオッサンの話をしなくちゃならないとかなと……僕は困った。
だけど、さすが年の功25歳(落ち着いてるから中年だと思ってた僕) 、
「光には亡くなった『想い人』がいる。私は敵わない」
僕は紅葉と日曜日の真夜中に初夜を迎えた。
けど……けど、そのセックスが今まで抱き合ってきた男となんか比べ物にならないくらいの上手さで、僕は心より身体が先に紅葉に落ちた。
紅葉のペニスは今までの男なんかよりデカくて硬くて、僕のイヤラシイ身体と1000%くらいマッチしていた。
「あぁ……やだぁっ!!……そこそこぉっ、もっと」
「もっと良い強請りかたがあるだろう」
「ぉねがぃっ、します。……おぉきぃので、こすってぇ!!」
そして僕の心が落ちたのは、本家『清水』に一緒に行ったときのこと。
あれは僕を見せるためだったんだと思う。
『冷たく白い目』で見られていたのは、僕よりも紅葉のほうだった。
それでも、ゴミ置き場で誓った通り『紅葉は僕を護った』。
それから何度も紅葉から京都に誘われたけど、僕は行かなかった。
違う、行けなかった。
きっと本家に行くんでしょ、行ったらまた紅葉が『冷たく白い目』で見られる。
オッサン、ごめんね……僕は他に『本命』が出来ちゃった。
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