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第7話 二人のバレンタインデー7

   そして。  素面の陽馬が思い出したら、きっと激しく赤面するだろうセックスを終え、彼はベッドの上疲れ切って眠っている。  俺は彼の体に飛び散った精液を綺麗に拭い、俺がたっぷりと奥へと放ったそれをも掻き出し、隣に潜り込んだ。  つくづく思う。  バレンタイン最高!  いや、アルコール最高というべきなのだろうか。  いつもの奥ゆかしい陽馬も勿論最高に可愛いが、自ら誘い求めて来てくれる陽馬もまた可愛い。  まあ、俺は相手が陽馬だったら、どんなだって最高に可愛いんだけど。  それにいつもの恥ずかしがりの陽馬だって、セックスが盛り上がっていくうち、あられもない姿を見せてくれるんだしね。  それにしても……。陽馬を好きになってから知った。好きって思いに終わりはないんだってこと。  今でも手を繋ぐ度、キスする度、セックスする度、ドキドキ高鳴る胸。  思えば、女の子をとっかえひっかえしていた頃はそんなことなどなく、どこか冷めてる自分がいた。  陽馬は初めて出会った初恋の人でもあり、運命の相手なんてのが存在するのだとしたらきっと彼がそうだと思う。  陽馬も同じように思ってくれてるといいんだけど。  いつもは俺の方からグイグイ行くから時々不安になるんだよね。  ともあれ、陽馬はほんのちょぴっとでもアルコールが入ると誘い上戸になるから、また飲ませてみようかな。  親と同居だからそうそうチャンスがあるわけじゃないけど、またホワイトデーもあることだし。  ふふふ、と含み笑いをする。  明日、陽馬が今夜の痴態を覚えていてもいなくても。  ハッピー・バレンタイン!

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