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第2話

運転しながら何度もコールしてメールも送って…今じゃ絶対に出来ないけどあの頃は法律が制定されていなかったから殆どの人がやることだった 夜中だからか車もいなくて高速道路のように飛ばしてきてしまった。いつもは一時間程度かかるはずなのにその半分位で目的地に着いてしまった。 しーさんが教えてくれた自宅近くのファミレスだ。駐車場に停めてもう一度コールすると1コールも鳴らないうちに相手が出た 「もしもし…」 「しーさーん!!」 「へ?何で?」 「何でって何ですか!!直ぐ折り返したのに電話で出ないしメールも来ないしで心配したよ!!」 「えと…ごめん…風呂に…」 …風呂か…そういえば幾分か目が覚めたような声だ。 「えぇ!!そうなんだ。そっか…よかった。」 「さっき変なこと言っちゃったからもう連絡したくないものだと…」 「変なことってなぁに?俺は一人で可愛いこというしーさんに悶えてたのに」 「え…」 思わず本音が零れたけれどしーさんはきょとんとして首を傾げていそうだ。自信が無いって言ってたから自身が可愛いと言われるとは思わないだろう 「だから会いたくなって家わかんないのに近くまで来ちゃったじゃん!あのファミレスの近くって教えてくれたからさ。いつもの半分の時間でついちゃったよ」 「え?」 この「え?」はきっとびっくりな顔してるんだろうな…顔もわからない彼の表情を想像したら何だか可笑しかった 「今そこのファミレスの駐車場にいるの!しーさん明日は仕事?」 「休み」 「俺も休み!だから遊ぼ!眠いなら無理はしなくていいからね!こっちで今も遊んでる友達大勢だからそっちと合流もできるからさ…」 そう言ってはたと気付いた…俺気持ち悪くねえか?連絡取れないからってこんなとこまでいきなり来るなんて… 「あ!!…ごめん…いきなり来ちゃって…気持ち悪いよね…ごめんっ!!あぁ!!考えなしだった!!恥ずかしい!!ごめんなさい」 気味悪がられてもう連絡が出来なくなったらどうしよう…。 少し間を置いてしーさんが口を開いた 「本当に…考え無しだね。ともくんの家からあの時間に出てもう着いてるとか…相当飛ばしたでしょ!!危険だよ!!」 「ごめんなさい」 怒られた…しゅんとしてしまって…帰ろうと口を開こうとしたら 「ともくんに何かあったらどうするの!?」 その言葉に顔を上げる 「だって…」 「でも…わざわざ来てくれてありがと…着替えてくるから少し待っててくれる?」 よかった!!!嬉しくて叫びそうになるのを必死に耐え待つことにした 「うんっ!!!」

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