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第4話

「話し方だって素敵だよ。俺さ。人と話すの苦手なんだ。けどそれ察してくれてあまり悩まなくていいように言葉選んでくれてたよね。それがとても嬉しかったんだ」 そんなこと言われるのは初めてだ。確かに言葉は選んでいたんだけど…そう言って貰えて更に高感度が上がった。 その後移動して結局朝まで一緒にいた。 凄く居心地が良くて無理しなくていい相手…こんな人とはもうきっと出会えないだろうから俺の恋はこれで最初で最後だろう。気持ちを伝えるつもりはないから友人以上にはなれないけど。 それを理解した上で毎日のように連絡するようになった。 そうして約2年が経とうとしていた。そんなとき俺たちの関係が微妙に崩れていった。彼に告白されてしまったのだ 彼の好意は薄々気づいていたけれど気付かないふりをしていた。気付かなければずっと一緒にいられると思っていたから… 「俺もしーさん好きだよ!けどね友達以上に思えない。ごめんなさい」 本当は同じ気持ち…けれどそれを伝える訳には行かないんだ… 「あぁ…そっか…わかった。ごめんね」 淋しそうに俯くしーさんを抱き締めてやっぱ今のナシ。大好きだよ…そう言いたいけど…出来ない…だって…俺は… …俺は凄く…酷い男だと思う。本当のことを伝えられない癖にしーさんと一緒にいたくて毎日の様にこれまでと変わらず連絡をし続けたんだ…しーさんが苦しむのもわかるのに… 次第にその関係が辛くなっていったのだろう。連絡が毎日だったのが三日に一回…週に一回…一ヶ月に一回…年に一回とどんどん減っていって …傷付けたしーさんにこれ以上苦しんで欲しくはない…そう思ったら俺からも連絡ができなくなってしまった…

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