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6.強要
完全に薬が回ってきたのか、隊長は青い瞳をとろりと蕩かして、私を見上げた。
私の放った精を、その美しい喉で飲み干して。
隊長は頭を掴まれて振り回されたせいで、輝くような美しい金色の髪がいく筋か解けていて、サラサラと肩から流れ落ちていた。
上気した頬に、上がった息。口端から一筋垂れた雫すらも美しい。
果てたばかりの自身が緩やかに立ち上がり、腹の奥にじわりと熱が溜まるのが分かる。
私と知らずに突かれていた間は、あんなに乱暴にされてもその気だったくせに。私と知った途端、まるで興味が失せたかの様に隊長のものは力を失った。それが酷く腹立たしかった。けれど、ようやく力を取り戻したそれに、私は口元に滲む笑みを堪えられずにいた。
「隊長、私の膝に乗ってください」
誘えば、隊長はコクンと小さく頷いて、ジャラリと鎖を引きずりながら、大人しく私の膝に抱かれた。
両腕は頭上に持ち上げられていたが、向かい合うように座らせた隊長は、いつもよりも小柄に思える。
立ち上がりつつある隊長のそれに触れると、隊長はびくりと身を縮めた。
「……っ」
何かを堪えるよう詰めた息が、それでも甘く聞こえて、私の背を熱が上がる。
ほんの数回撫でるだけで、隊長のそれは私の手の中で弾けそうなほどに硬く立ち上がる。
「……ぅ、ぁ……」
小さな声を漏らして、細められた青い瞳が潤んでいる。
こんな顔を、あの男に毎晩晒しているのかと思うと、私は堪らなくなった。
夢中でその唇に吸い付く。傷の無い胸板を撫でて、ピンと立ち上がった小さな突起に触れれば、びくりと隊長の肩が揺れる。素直な反応が実に愛らしい。
「んっ……」
熱く蕩ける口内を蹂躙すれば、隊長は時折ピクリと小さく震えた。
「もっと私に、応えてくださいね?」
口の中へと囁けば、慌てるように舌が絡みついてくる。
その舌を撫で回しながら、奥まで犯せば、繋がった肺から熱い息が上がる。
「ぅ……ん、ふぅ……んん……」
感じている事を隠しようもないほど甘い声の響きに、私は達成感を感じながら唇を離す。
「隊長、そんなに気持ち良さそうにして良いんですか? ルストック隊長がご覧ですよ?」
ハッとその青い瞳が見開かれる。
恐怖すらも滲ませて、ルストック隊長を窺うその顔。
ああ、こんな隊長の顔が見られるなら、もっともっと、彼にその姿を見せつけてやりましょうか。
私は姿勢を変えて、向き合う様に抱いていた隊長を反対に向かせる。
ルストック隊長へと向き合うように。
私は、後ろから隊長の細くてしなやかな腰を撫で回しながら、首筋を舐め上げた。
「ぁ……っ」
びくりと小さく腰が揺れる。
激しい戦闘でもあまり息の上がらない、涼しい顔の似合う人が。
「私に舐められただけで、そんなに感じてるんですか?」
「っ!!」
鋭く息を呑む音。後ろからでも分かる程に、その耳までもが赤く染まる。
「ほら、ルストック隊長によく見せて差し上げましょう。私に感じている隊長の姿を」
言いながら、私は隊長の前に手を伸ばす。
隊長のそれは、もうパンパンに腫れ上がって今にも弾けそうだった。
「ぁ、あ、や……っ、っっ!」
無意識だろうか、ビクビクと隊長の腰が揺れる。
強く握って擦れば、あっという間にそれは吐精した。
「ぅ、く、ぅぅぅっっ」
涙の混ざる滲んだ声が、喉の奥から漏らされる。
声を殺そうとして、それでも殺しきれずに漏れるその様が、余計に色っぽい。
「おや、もう達してしまったんですか?」
くすくすと耳元で囁けば、隊長はぶるりと羞恥に震えた。
「こちらは、どうなってるのでしょうね?」
隊長の後ろへと指を這わせれば、咥え込んでいた小瓶はすっかり飲み込まれている。
「おやおや、欲しがりなお口ですね、瓶は返していただきますよ」
きゅうきゅうと瓶を咥え込んでいるそこへ隊長の精でドロドロになった指をぬるりとねじ込めば、それだけで隊長は喉を逸らして啼いた。
「やぁ、あっ、ぁああぁんんっっ」
声をあげてしまったことを恥じるように、隊長が頭上に括られた自分の腕に隠れるようにして顔を背ける。
背けたところで、ルストック隊長の視線から逃れることはできないだろうに。
そのいじらしいところが、また愛らしい。
指先で小瓶の底を摘み、熱くうねる隊長の内側で抜き差しすれば、隊長は私の腕の中で激しく悶えた。
「ぅっ、んっっ、んんんっっ、んぅんんんっっ!」
必死で唇を噛み締めているらしい隊長の唇を、私の指で割る。
「ひゃ、ふ、あ、ぅああぁあっっ、うあっ、っぁあぁっっ」
「しっかり舐めてくださいよ?」
口の中を掻き回してやれば、飲み込みきれない唾液が溜まった口内から、雫が溢れる。
後ろを責めながら、指先で隊長の上顎を押し上げれば、びくりと隊長の腰が浮いた。
見れば、先ほど吐精した隊長のものはすでに立ち上がりかけている。
ぐちぐちと内を掻き回しながら、懸命に私の指を撫でてくる舌に指先で応えてやれば、その都度隊長から甘い声が零れる。
「こんなに、可愛らしいお声を、毎晩ルストック隊長に聞かせていたんですか?」
隊長が青い瞳に涙と絶望を浮かべて、ルストック隊長を見る。
その絶望に染まった言葉が聞きたくて、私は口から指を抜いた。
それでも、後ろはグチュグチュと掻き回し続けている。
「や……あ……っ。見ない、で、くれ、よ……っっんっ、ルスぅ……」
熱い吐息と共に、涙ながらに懇願されて、ルストック隊長が苦しげに視線を逸らす。
「目を逸らしても良いとは言っていませんよ?」
私は口元に笑みを浮かべながら、魔力を流した。
ルストック隊長の、低く唸るような、押し殺された息。
せめて声を上げないようにしたかったのか、それでも、隊長はそれに気付いたようで、必死に私を振り返る。
「やめっ! やめて、くれ……っ、おねが……っ、イムノス……ぅ」
「では、私の体で感じている姿を、たっぷりルストック隊長に見せてあげてくださいね?」
優しく諭すように告げれば、隊長は顔を真っ赤に染めたまま、コクリと頷いた。
ああ、なんて従順な姿だろうか。
隊長の内からドロドロになった小瓶を引き抜く。
「くぅ、……ぅあんっっ」
ぞくぞくと肩を震わせた隊長が、私の腕の中で力無く崩れる。
隊長の肌が熱い。その肩を抱き寄せて、両腕の鎖を固定していたフックから外す。
向きを変えて、ルストック隊長には横から見えるようにして、隊長を私の上に跨らせる。
「私のを入れて、気持ち良くなってください」
「俺、が……?」
涙で濡れる青い瞳が、真っ赤な顔で私に尋ねる。
「ええ、隊長が、ご自身でですよ」
ぼんやりと熱に浮かされたような可愛らしい表情が、見る間に羞恥と屈辱に歪む。
「早くしたほうが良いですよ?」
チラとルストック隊長に視線を投げれば、隊長は弾かれるように動き出した。
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