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契約

AM:5時 特殊部隊の地下には異世界と繋ぐ門があった。 そこはまだ、魔法の国の資格を持つ者にしか見えなず。 普通の人間はなぜここに無駄な空間があるのか?と思ってしまう。 門をくぐり、人間界に降り立つ。 「おかえり」 顔をあげるとコーディがいた。 「ただいま」 「どうだった、うまくいった?」 「ああ」 「そっか、無事に帰ってきてくれてよかった」 頭をぽんぽんとしてくれた。 「例のあれの契約は?」 「いわない」 「じゃ、当ててあげようか、そうだな、、、」 「寿命と引き換え」 「え?」 さらっと零した単語を聞き取るのは難しいと思った。 「今、なんて」 部屋の出口まで歩き「仲間は絶対に見殺しにしない」といい部屋を出た。 コーディには悪いが俺にも役割がある。 それにこのかけがえのない命が他の人の役に立つなら俺は……。 残されたコーディは1人椅子に腰かけぽつりと漏らした。 「寿命と引き換えってなんでそんな契約結んできたんだよ」 と頭を抱えた。 「花咲さん、お疲れ様です」 「ああ、盤上、お疲れ」 「決戦の時ですね、なんか燃えるな」 「アハハ、こんな朝早くにと思いましたが今日は大事な日でしたね」 「そうですよ、俺たちは絶対に花咲さんを花咲隊長に迎え入れますから」 「ああ、ありがと、少し休む、悪いが時間になったら声かけてくれるか?」 「はい」 盤上と別れた。 そう今日は花咲隊が結成する、大事な日なのだ。 ベッドに横になりながら自己暗示をする。 目標に少しでも近づけている。大丈夫だ。 俺には仲間がいて、守人たちも増えた。 AM:12時 会議室には大勢の人が集まっていた。 医療部リーダー、山田祥子。 副リーダー、高橋。 情報部リーダー、水谷柊。  副リーダー、白羽。 戦闘部リーダー、花咲翔太。   副リーダー、岩崎。 陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊 また、国のトップ数人と議長だ。 重々しい空気に吐き気が伴いそうだが。 みな、落ち着いていた。 「それでは司会を務めさせていただきます、議長の補佐官であります、大貫が進行していきます、では本題に入ります」 プロジェクターが起動して実績成果などが映し出された。 「では、戦闘部リーダー、花咲、前へ」 「はい」 ここ数年であった実績を報告した。 成果はもちろんのことあげている。 カロン州の組織結成、演習、大統領の支持。 特殊部隊の性能引き上げ。 ぞろぞろとメンバーが壇上にあがる。 「それでは花咲隊が結成するか否か、ご回答をお願いします」 ざわざわと相談が始まった。 普通に考えれば一度ここで休憩に入るのが一般的なのだが、議長はそれを望まなかった。

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