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 学校帰りの寄り道は、いつも同じ面子で行動していた。  裕太(ゆうた)にとっては、積極的に音頭を取っている(りょう)の存在は輝かしいものであった。  たまたた同じクラスで、たまたま席が近いというだけの距離感であったが、陽気な存在は周囲の人々を楽しくさせていた。裕太もその一人である。  そうであるはずだったのに、裕太の内には何か違う感覚があった。それは、言葉で表すにはよく分からない。  何か涼にしてしまう前にどうにかしなければ、と思っていた矢先、まさか二人きりで寄り道するとは思ってもみなかった。 「アイスレモネードお願いします」  ファストフード店のレジでバラバラになったところで、裕太は一人冷静になろうと心を無にする。  他の面子は偶然用があったようで、寂しそうな涼と二人きりで行動するのは実は初めてだ。  全く会話をしたことがないわけではないし、むしろ誰よりも離している存在ではあると思うが、今の裕太は平常心を保っていられるかという不安でいっぱいだった。 「おまたせいたしました。ごゆっくりお召し上がりください」  店員に差し出されたトレーを受け取り、先に席を取っている涼の姿を探す。  少し離れた端の方に座っている姿を見つけ、裕太はそちらへと向かっていく。 「おう、待たせたな」  涼の向かいに座り、椅子にもたれ掛かる。  こうして話し始めると何事もなくいられるが、それまでの間は悶々とした気分になってしまう。 「あれ、飲み物だけ?」 「今日はそんな気分だった。てか、涼は普通にセットかよ」 「食べても食べてもすぐ腹が減るからな」 「それで痩せてんのが羨ましいよ」 「ははは。んじゃ、いただきまーす」  丁寧に手を合わせた涼は、包みを剥がしてハンバーガーを食す。  豪快な姿を眺めつつ、裕太はアイスレモネードを静かに飲む。痩身のどこに食べ物が入っていくのか、裕太には不思議でしょうがなかった。

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