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第39話 一緒に生きよう※

 お母さんが居なくなって、何も見えない暗闇の中、ライオネルの所へ戻る為に足掻こうと決めると、11歳の体が元の大人の体になっていた。  ここにいては行けないと、走り出す。  ライオネルが呼んでいる。  ライオネルが思ってくれている。  あったかい方へ向かって進む。  まるで紫音を引き止めるようとでもしているのか、水中で無理矢理走ろうともがいているように体が重いし、心臓が苦しい。  先程までいた所に戻っておいでとも呼ばれているのが分かるけど、苦しくてもライオネルに会いたい。  すると突然、  カァッ!  と突然体の奥に入った熱いものが、全身に広がる感覚があり、それが終わると体が少し楽になった。  何だかよく分からないが、今のうちににライオネルの所へ向かう。  そうだ間違えてない。  さっきまで何も見えなかった先にあの碧の優しい色が俺を呼んでいる。  走れば走るほど体も痛くなるし、心臓も苦しくなる。  でも、ライオネルと再び生きる為、最後まで走り抜け、光の中へ躊躇いなく飛び込んだ。 「……だから逝かないで、一緒に生きよう、愛してるよ、シオン」   愛しい人の声が聞こえた。  嗚咽を堪えるように切なく、すすり泣いているような声だった。  こんな俺を、こんなに愛してくれた彼を残してなんていけない。  だから、 「……ラ、イ……、いっ、しょ、に、い、き、よ、う」  弾かれたように泣き腫らした顔を向けるライオネルと目があった。  ライオネルは 「勿論だ」  と返答すると、涙を流しながら紫音に口付けをした。 ♢♢♢  ーー1週間後。  ーーパンッ、パンッ、パンッ 「ぁ、ぁん、ぁ、ぁ、ぁん、ん、ぁ」 「はぁ、はぁ、シオン、可愛よ」  ーーパンッ、パンッ、パンッ 「ぁん、ぁ、ぁ、ぁ、何か、でちゃう、ぁ」 「だして、いいよ、シオン」  四つん這いになっている紫音を後ろからライオネルが激しく突く。  ーーパンッ、パンッ、パンッ、 「ぁん、ぁぁ、ん、あぁぁぁぁ、、」 「く、、俺も、いくっ、、う、、」  ーードピュッ、ピュッ  ライオネルは紫音に覆い被さると、緩く動かしてからゆっくり抜く。 「ぁ、ん」  抜く時に紫音の気持ちい所を擦り、思わず甘い声が出る。 「……ほら、ちょっと横になろう」  と、ライオネルが言ったので2人で横になると、ライオネルが紫音のおでこに自分のおでこを当てる。 「微熱位には下がったかな。良かった良かった」  安堵の表情を浮かべるライオネルに紫音は少しときめいた。  あれから、3日振りに意識を取り戻した紫音はライオネルとそのまま2回戦に突入し、1回ヤると紫音がダウンした。  2回目でも中出しされたことで少しずつ体は良くなっていたが、いかんせん死にかけの体だった為、単純に疲労から寝たのだが、ライオネルは紫音の命の最後の灯火だったのかと、パニックになり、もう1度会いたい、もう1度、もう1度と寝ている紫音に何度も中出しした。  それも結果的には良くて、次の日は高熱ではあるが、昼には起きれていた。  紫音がお母さんとの話をすると、“龍人の体液に延命の効果はあるのだな”と確信し、ドアの外の護衛に1週間執務を休んで部屋に籠ると各方面に伝えてくれと伝言を頼んだ。  それからは、ライオネルが回復し、紫音が起きればSEXし、食事も運んで貰い部屋から1歩も出ないという爛れた1週間を過ごした。  でも、そのおかげで、紫音は現在微熱出始め位の状態まで戻っていた。  これからもヤっていれば、ライオネルの寿命に近付いていくだろう。  ……こんな事で寿命が延びるなんて、非科学的で信じ難いが、体調が良くなっている事実を身をもって感じている為、何とも言えない気持ちではあった。  この延命の件については龍人の血を引く者にしか伝えないという不文律があるので、例えば、ライオネルのお父さん(陛下)ですら、母親とは番ではない為知らないらしい。  ライオネルはお母さんから直接聞き、絶対に他の人には漏らしてはならないと約束させられたとの事。  昔、番以外にも延命効果があると人間に間違えて伝わり人間から龍人族狩りにあって龍人族は滅んだそう。なので、今いるのは当時人間とのハーフだった者の子孫がほとんどであり、純血の龍人族は存在しないと言われている。  そういう訳で、紫音はルイスには寿命と言っていたが、正確には紫音達のような人間にはかかってしまう、元の世界の病の一種が原因で、今際の際でライオネルがその病に効く回復魔法を作成する事に成功し、徐々に回復に向かっているという説明で誤魔化す事にした。  ルイスとアインにはおかしいと思われるかもしれないが、特に突っ込まないでくれるだろうとのことだった。  そして、今はそのお篭り1週間の最終日である。 「明日からは夜だけになるなぁ。でもその前に溜まった執務があるからな……何時に帰れるか……」  ライオネルについた犬耳がシュンと垂れているような幻が見えた。 「俺も手伝いに行くよ」 「な、な、何言ってるんだ! まだシオンは熱が完全には下がってないだろう! 部屋で大人しく寝てるんだ!」 「微熱は慣れてるから平気。前は酷くヤられた次の日は微熱のまま戦場に行くのが当たり前だったからね。それに行くのは戦場じゃなくて執務室だし」 「し、しかし……」 「俺が手伝った方が早く終わるよ? それに、もし時間がかかって、ヤれない日が続いてまた、寿命が尽きかけてもいいの? 俺の体感だと今の所あと、3週間位の命なんだけど」 「!? シ、シオン、まだ寿命がどの位か分かるのか?」 「うん。なんでだろうね。“ドール”は寿命と体が、直結してるからかな? そこは普通の人間と違って、死の直前まで筋力等は衰えないからね。それに元々俺達は寿命が1年切ると大体分かるみたいだけど、分かるのは多分最後の1年だけだと思う」 「なるほど……。うーん……。基本ソファーに座っていること! それは守れよ」 「分かった!」  紫音は復活してから、例え反対意見だろうとライオネルに自分の意見を言うようになった。  ライオネルはそれが嬉しい。  ただ、紫音に言われると十中八苦ライオネルが折れる事になってしまうが。 「ふふふ、ルイスとアインは俺が死んでると思ってそうだよね」 「あー。そういえば籠る宣言しただけでシオンの事は何も言っていないな」 「明日から楽しみだね」 「そうだな。」 「ライ、大好きだよ。一緒に生きて行こうね」 「ッッ! あぁ、俺もシオンを愛してる」  どちらからともなく、キスをした。  ーー次の日。沈んだ主人をどう立ち直らせるか悩み暗い顔をしていたアインとルイスは、はにかんだ様子の動く紫音を見て度肝を抜かれた。  が、紫音の復活に2人とも泣いて喜んでいた。  ー完ー

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