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第2話

 俺はプールで泳ぐ、美し過ぎる男の娘を撮りまくった。彼の透き通るほどの美しい体を、連写し続ける。  かなり遠くからではあったが、俺のカメラは最上位モデルだ。くっきりはっきり、彼のかわいいムスコも写真に納めた。プルプル揺れていて、なぜか毛はなかった。彼の可愛いちんちんを見ると、なぜか、俺の息子が勃起してしまう。 「やべえ。すげえ可愛い子だ」  俺はゲイではないが、彼にはとてつもない魅力があった。アイドルのような、そんな魅力だ。  俺は、彼に近づいて話しかける勇気はなかった。俺は人見知りではないが、全裸て泳ぐ彼に近づいて、話しかけることは出来ない。どう考えても、嫌われるイメージしか浮かばない。 「俺とは住む世界が違う子なんだ」  勝ってにそう思い、彼がプールにいる間ずっとカメラで覗いていたが、突然、凄い罪悪感に襲われた。  考えて見れば、俺のやってることは盗撮だ。美少年の裸を撮る、変態だ。 「なにやってんだ俺は。知らない男の子を盗撮するなんて、親が知ったら勘当ものだぞ」  頭をガリガリとかき、俺はそそくさと自宅に帰った。  美少年の名は分からずじまいだった。  ◆  次の日、俺は学校に登校していた。平日だから、仕方ない。夏休みが始まる直前だが、まだ授業はある。  俺は現国の葛西先生の尻を眺めながら、夕べの美少年を思い出していた。  一体、誰だったんだろう? 年齢はかなり年下に見えたが、もしかしたら同い年かもしれない。高校のプールで泳ぐくらいだし、うちの学校の事を知ってるはずだ。  うちは田舎の高校だし、生徒の数も多くない。もしかしたら、誰か分かるかも知れないが…。   まぁいいさ。俺には関係ない事だ。たまたま、美少年の裸が撮れただけだ。新しいカメラや機材も欲しいし、いつも通り風景写真を撮るだけだ。  シャープペンシルを片手でクルクル回しながら、次の写真を何にするか考えていると、授業終了のチャイムが鳴った。 「はい。今日はここまで。日直の人、号令」 「起立。注目、礼」  俺たちは全員立ち上がり、先生に礼をする。号令をしたのは、委員長だ。眼鏡をかけて、いつも無口な男である。 「それじゃあ、また明日ね」  現国の葛西はデカい尻を降って教室を出て行く。それと同時に、悪友の小寺が俺に近づいて来る。 「よう。昼飯買いに行こうぜ」   小寺はニヤニヤと笑っている。いつもニヤニヤと笑っており、顔も髪に隠れて根暗なので、みんなからは嫌われている。 「そうだな」  俺は小寺を嫌ってはいない。唯一のカメラ仲間だからだ。こいつは盗撮癖がある変態だ。俺も人の事は言えんが、小寺は真正の変態だ。  それでも、俺は唯一の趣味友達を大事にしている。 「今日はカツサンドを食うかな」  俺は小寺と一緒に昼飯を買いに売店に向かった。 ◆  結局、何事もなく学校が終わり、自宅では夕飯を食い終わった。昨日同様、写真の整理を始めたが、どうにも落ち着かない。 「どうする? 今日も行くか?」     ホタルはもう撮ったし、今は必要ない。他の写真を撮ってもいいが、どうする?  あの美少年が、連日プールで泳いでいるとは思えない。でも、なぜか気になる。    俺の住んでいるところはド田舎だ。この季節、夏祭りくらいしか、イベントは何もないのだ。  変わり映えのない日常に、彼のような美少年は最高のスパイスだ。  気づけば、俺はミラーレス一眼を持って、マウンテンバイクに跨がっていた。 ◆ 「いた。今日も泳いでる」    昨日同様、彼の美しさは変わらない。  俺は、昨日とは打って変わり、プールの金網まで近づく事にした。 「もっとはっきり顔を取りたい」  俺は彼にバレないように近づいたが、うっかりカメラのレンズをバックから落としてしまった。  ガシャっと、音が鳴る。 「誰!?」  最悪の展開だった。  彼は驚いて俺の方を見た。俺は身を隠す場所をとっさに見つけられず、彼に見つかってしまう。 「えっと、その。あの」  しどろもどろになるが、彼の口からは思いもよらない言葉が紡ぎ出された。 「佐久間君?」   「え?」 「そこにいるの、佐久間君?」  「は、はい。佐久間です」 「はぁあぁ~。誰かと思ったよ。警備の人かと思ってびっくりしたよ」  あれ? なんだ? 俺を知ってる? 「君は一体?」 「え? 一体って? ああ、この髪?」  彼は金網の向こうに、俺と向かい合わせで、全裸で立っている。透き通る銀髪を弄りながら、立っている。 「あはは。僕、クラス委員長の九条だよ。気づかなかった? あはは。普段カツラだし、遂にバレちゃったか」  彼は苦笑い。   「え? 九条? うそだろ?」 「嘘じゃないよ。九条だよ」  彼はニコッと笑い、股間のものを恥ずかしそうに隠した。  しかし、指の隙間からドリルなちんこが見えていた。

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