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第1話
人生最大の、大告白…だった。
憧れの彼女は2個上。
社会人1年目の俺が21歳の時に告白。
「別にいいわよ。その代わりと言ってはあれだけど、私は自分の成長を妨げるようなお付き合いはしたくないの。自分磨きの為の習い事、書道とヨガは通いたいし、女友達との付き合いも彼氏が出来たからといって御座なりになるのは自分が許せないの。それでも良かったら。」
その時は、自分を持っていて素敵な女性だって思ってた。
ちゃんとエスコートが出来ないと叱られたり、お箸の持ち方も悪いと言われたり、付き合ってる彼女は輝いていて、とても強かった。
社会人2年目は、そろそろ仕事にも慣れて一人で出来る事も増えたよねと、コンビを組んでいた先輩の元を離れて仕事に明け暮れた。
会える時間も減ったけど、会社勤めをしながら自分磨きをしている彼女は理解を示してくれて、こまめにメールを送った時は「忙しいのに、送って来なくてもいいのよ。身体を壊さない程度に頑張ってね。」
キャリアウーマンで働いている彼女だからこその、気遣いだと思ってた。
「話を聞いてると、愁(しゅう)の彼女、胡散臭くねぇか?」
同期の同僚は嫉妬からそんな事を言ってたけど、気にならなかった。
今日は聖夜にプロポーズをするんだ…。
なかなか予約の取れない有名なレストランを7時半からリザーブして、銀座表通りの有名な宝飾店で給料5ヶ月分の指輪を買った。
付き合ってもう2年目になる。
きっとこれは、彼女のお望み通りのプロポーズのはずだ。
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