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第6話 こんなので気持ちよくなるなんてどうかしてる

「はぁ? いきなり襲ってきた人に言われたくないんだけど」 「いやむしろ襲ってきた奴にちんこ見せろって自分からパンツ剥ぎ取る君に言われたくないね」 「う……」 市川が勝ち誇った顔でまた僕の胸に吸い付いてきた。 「んっ! ねぇまだやるの? もうたくさん舐めたじゃん。僕疲れたんだけど」 僕の発言を聞いて市川は笑った。 「ハハッ! 冷たいなぁ楓は。自分だけ気持ちよくなって、俺のがこんなになってるの見るだけ見てやめようって言うの?」 「あー……そっかごめん」 ――でもどうしろと? 「本当は舐めてほしいけど、いきなりそんなことさせるの可哀想だからこうしようね」 彼は僕の太腿を持ち上げると、いきなりお尻から太腿辺りを舐め始めた。 「うわっ! や、やめてよ。どこ舐めてんの!?」 なぜかペニスを咥えられるよりもお尻を舐められる方が恥ずかしく感じた。 「んー、これじゃだめかなぁ。楓、ワセリンあったよね?」 「あるけど」 ーーだからなんで知ってるんだよ……? 引き出しに入っていたワセリンを渡す。すると市川がそれを手に取り、さっき舐めていた辺りに塗りだした。 「あ、ちょ……どうすんのそれ!」 脚の付け根というか、お尻というか、太ももというか……そこに市川の手の熱で温められたワセリンが溶けてぬるぬるになっている。 彼は僕の乳首を舐めながら、直接ペニスには触れずに睾丸の裏などを撫でていた。気持ちいいような、悪いような? どうせならちゃんと気持ちいいところ触ってほしいのに。 「よし、これでいいだろ」 ――何が? すると急に身体をうつ伏せにひっくり返され、腰を持ち上げられた。市川にお尻を向けた状態で土下座してるみたいな感じでめちゃくちゃ恥ずかしい。 「今度は何? やだよ、やめて先生」 「もう先生じゃないって。聖司だよ。せいちゃんでもいいし」 は? 誰がこんな変態をあだ名で呼ぶか! 「脚閉じててね」 「え……?」 そして市川はワセリンでぬるぬるになった僕の太腿の隙間に勃起したでかいのを押し込んできた。腿の肉を割って入ってくるような生々しい感覚にぞわっとする。 「うわ……なっ……!」 ――何だよこれ! 「あー……この眺めはヤバい。楓ちゃんの背中とお尻エッロ……」 ベビードールの薄い布地越しに腰とお尻を撫でられる。 そして市川がゆっくり腰を動かし始めた。ぬる、ぬる……と彼のものが僕の腿にこすれる。 「ま、待ってこんなの……!」 「後ろから犯してる気分最高……楓ちゃん……楓ちゃん好き。好き過ぎて死にそう」 最初は感触を確かめるようにゆっくり動いていた市川だが、興奮してきたのか好きだ好きだと言いながら激しく腰を使い始めた。前後に動かれるたび、彼の身体が僕のお尻に当たってパンパンと音がする。 「あっ……あっ! ばか、やめ……」 しかも市川の高ぶりが勢いよく押し込まれる度に、僕の小さくて敏感なペニスに擦れるのだ。こんな行為で感じたくないのに、気持ちよくなりたくてつい僕も良いところに当たるようにお尻を揺らしてしまう。 ただ単に腿の隙間に出し入れされているだけなのだが、その動きは動画で見たセックスそのもので僕は市川とエッチしているような錯覚に陥った。 「好き、楓好き。気持ちいい? ねえ、いい? 言えよ楓」 ワセリンのグチュグチュ音と、耳元で囁く市川の低い声がエロすぎて僕の脳みそがじんじんしてくる。 揺さぶられながら僕は情けない声を上げてしまった。 「あっあ……気持ちいいっ♡ そこ、好き、きもちいいっ♡」 「可愛い、はぁ、可愛いよ楓ちゃん……♡ おらっイけ楓、後ろから突かれてイけ♡」 「んんっ、もうイッちゃう♡ せんせ……」 「聖司だろ」 「聖司……せいじもうぃくっ♡♡」 後ろから身体を叩きつけられながら僕は押し出されるように射精した。 なにこの感覚? 疑似セックスなのに感じすぎて怖い。 僕が身体を弛緩(しかん)させると、腿の締め付けが弱まったのを不満に思ったらしい市川が文句を言う。 「楓ちゃん、俺まだだからもう少し頑張れ」 「……もう無理……」 僕さっきから何回イかされてると思ってんの? 「じゃあこうするか」 市川は僕を横向きに寝かせ、後ろから抱きしめるような体勢で彼も寝転がった。そしてまた僕の脚の間にペニスを差し込んでカクカクと腰を振っている。僕は荒く息を吐きながら彼にされるまま揺すられて、そのうち市川は僕の腿の内側を温かい粘液で濡らした。 「痛っ!」 彼が達する瞬間、感極まって僕の肩から首の付根辺りに歯を立てた。 「あ、ごめんつい……」 「何するの! こういうの付けないっていうから言うこと聞いたのに」 僕は慌てて身体を起こして鏡を見る。左側の首筋にくっきり歯型が残っていた。 市川が僕の肩を撫でて謝ってくる。 「ごめんね楓ちゃん、大丈夫、ちゃんと制服のボタンしたら見えないから……」 「月曜日体育あるのに! Tシャツ着たら見えるじゃんこれ!」 最悪……。 「ごめんねごめんね。なんでも言うこと聞くから許して」 市川は眉を下げて僕の顔色を窺っている。 「酷いよ……僕ちゃんと言うこと聞いたのにぃ……うぅ……」 僕は突然現れた男に脅され、頑張ったのに約束を破られたのが悔しくて泣いてしまった。 後から考えると泣くところはそこじゃないんだけど、とにかくこのときは疲れすぎて思考回路がおかしくなっていたんだ。

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