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第11話 【最終話】僕の負け。
「はぁ……ぅう」
僕は市川にお尻を好きに弄られながら、これまでのことを思い返していた。
もし小さな頃、声を掛けてきたおじさんやお兄さんについて行ってたらこういう目に遭ってたってこと?
自分に酷いことする男なんていないって高をくくってたけど、ギリギリのところで姉ちゃんに助けられてただけだったんだ。
外で遊ぶときも、未だに自分よりガタイのいい男友達が一緒じゃないとだめって姉ちゃんの言いつけを守ってた。だから危ない目に遭ったことが無かった。そのせいで可愛い彼女ができないのを嘆いてたけど、そんな場合じゃなかったんだ。
目隠しの内側で涙をにじませていた僕に市川が猫なで声で言う。
「もう少し頑張ってね。じっくり開発して、卒業までには俺のを挿れて欲しくておねだりするくらいにしてあげるから」
――何だよそれ。そんなのあり得ない。
そう思うのに、市川の指の感触にだんだん慣れてきた僕は、たまに彼の指が気持ちいい所に当たることにも気がついていた。
男の骨ばった指が、僕の中の敏感な部分をぐっと突いた。思わず僕は鼻にかかった声を上げてしまう。
「あんっ」
「いいよ、我慢しないで声出して。上手に感じられてきた証拠だね」
彼の指が執拗にそこを責めてきて、僕はその度に背筋に走る快感に喘ぎ声を我慢することができなかった。
「あっ……ああ、あっ♡」
――悔しい悔しい! なんでこんな奴の手で……!
「ほら、気持ちよくてこっちからもヨダレを垂らしてる。可愛いな……」
そう言って市川は僕のペニスの先を指の腹でくるくると円を描くように擦り、お尻を舐めた。先端に与えられた刺激があまりにも気持ちよくて僕はつい彼の手に陰部を擦り付けてしまう。
――気持ちいい、気持ちいい……もっと、もっとして……。
すると彼は柔らかく僕の尻に歯を立てた。
「あ! や、やめてお願い。噛まないで」
市川はお尻をさらさらと撫でながら言う。
「だってあんまり美味しそうなんだもん。白くてつやつやしてて……今は興奮してるからちょっとピンク色の桃みたいだね。俺のものだってわかるように歯型を付けてあげたい」
さっき甘噛みしていた部分をべろりと舐められる。
「嫌だ!」
「ふふ、痛いのは嫌なんだろ? 今日は勘弁しておいてあげる」
「うう……ひどいよ……」
市川は僕の頭を撫でながら言う。
「そんなことない、優しいお兄さんだろ? 可愛い君の言う事ならなんでも聞きたくなってしまうくらいだ」
「そんなの嘘だ! それなら今すぐこんなことやめてよ」
僕がそう言うと市川はちょっと考えるような間をあけてつぶやいた。
「やめていいの? ふーん。手足を縛ってこのまましばらく放置か……それもいいな」
それを聞いて僕は焦った。
「や、やだ! それはやだ!」
「はぁ、楓ったら何を言ってもすぐに"嫌"だね。わがままな子だ」
そしてまた指でお尻の気持ちいいところをグリグリされる。
「あっ、はぁっ……ん♡」
「こんなに感度も良くて身体は素直なのにねぇ」
「うぅ……ひどい、あ、や……ぁっ」
ぐちゅぐちゅとかき混ぜられて頭が変になりそうだった。
お尻の中をいじられてるだけなのに、ペニスからたらたらと先走りが漏れるのが不思議でならない。彼の指が中で蠢くと、うまく頭が働かなくなってしまう。
「さて、そろそろイきたい?」
「ん……イきたい……」
ぼんやりしてうっかり本音が漏れた。
「じゃあ、俺のものになってくれるよね?」
「いやぁ……」
ぐちゅ……ぬちゅ……と市川は手を休めずに更に耳の傍に近寄ってきて言う。
「縛ってるの解かないとイけないね。どうする? 俺はこのままずーっと楓のお尻いじってるんでもいいけど。一晩中でもやれるよ。我慢強いタイプなんだ俺」
「ぁ……うそ……」
一晩中? 冗談じゃない。こんなの耐えられるわけがない。
市川は余裕でクスクス笑っている。
「嘘じゃないよ~。このままいじってたら中だけでイけるようになるからそこまで頑張ってみる?俺はそれでもいいなぁ」
「そんな……やだよ……」
「出したい? どうする?」
「もうやめたい、出したい……もう終わりにして……」
本当はペニスをしごかれながら思い切り射精したい。
だけどそんなこと恥ずかしくて言えるわけない。
「そう? どうやって? 自分でおちんちんしこしこする?」
――聖司の手でしてもらいたい。もう自分でする刺激じゃたぶん足りない。
「うう……やだぁ……」
「やだ? なんで? いつもひとりでシコってるんだろ?」
市川は僕の睾丸を柔らかく揉みながら反対の手でお尻の入り口をつつく。
気が変になりそう。早くリボン取って、強く擦ってよ。
「ん……や……言えない……」
僕は額をベッドに擦りつけるようにして首を横に振った。
市川はなおも意地悪く焦らしてくる。
「ちゃんと言わないと俺もどうしていいかわかんないよ?」
「あ……僕、もうわかんないぃ……」
「俺にして欲しいんでしょ? お尻の気持ちいいところグリグリされながら、ちんこめちゃくちゃに擦って欲しい、ちがう?」
それを聞いた僕はまだ直接触られていないのに想像しただけで気持ちよさにゾクゾクして身体が震えてきた。
「あ……はぁあっ♡」
僕の身体に密着している市川はその震えを悟って言った。
「ああ、もう。お行儀悪いなぁ。今聞いただけでちょっとイッちゃったんじゃないの?」
「……ぃってなぃ……」
「楓。もう観念しなよ? 俺のものになったら、気持ちよくなれるんだよ」
「ん……でも……」
僕の耳たぶを舐めながら市川はゆっくりと続ける。
「何も悪いことなんて起きないよ。俺のものになったら、俺がちゃんと他の変なやつから守ってあげる。梢から聞いてるよ、楓は俺みたいな顔の男が好きでしょう?」
「あ……ねえちゃんが……?」
――なんで姉ちゃんそんなこと言うんだよ。
「俺のこと好きになったら楽だよ。なんでも言うこと聞いてあげる。好きなもの買ってあげるしどこへでも連れて行ってあげる。それに、楓のことを最高に気持ちよくしてあげられるよ?」
「き……気持ちよく……なれるの?」
「そうだよ。今よりもっともっと気持ち良くしてあげられるよ」
「……たい、きもちよく……なりたい……」
もうお尻の周りだけ撫でられるのは限界だった。
「じゃあ、いいね? 楓は俺のものだね?」
「うん、いい。聖司のでいい……」
「ありがとう。大事にするよ楓」
満足気に答えた市川はまず目隠しを外し、伏せていた僕の顔を横に向けキスしてきた。眩しくてくらむ視界に真っ先に浮かんだのは市川の美しい顔だった。暗闇から開放された安心感で僕はそのキスになぜかホッとしてしまう。
そして次に彼は僕のペニスからリボンを取り外した。穴の周りでうろうろしていた指はまた中に入り込み、気持ちよくなれる一点を押してくる。そうしながら彼は反対の手でペニスを素早く擦ってくれた。
僕は求めていた刺激が前と後ろ両側から与えられ、唇まで奪われ快感で目が回りそうになった。
「あっぁあぁっあぁっ……あんっだめ、イっちゃう!あぁっ♡」
「いいよ、可愛いね。いい子だ」
「あっ♡ あっ♡ もうイクッ♡♡♡」
「イって、楓」
「はぁ、あっ……ん♡」
これまでに経験したことのない、内部からの刺激によって僕は絶頂感に身体を痙攣させた。
その後の記憶がぷっつりと途絶えている。
そしてその後2日間は市川によって身体を開かされ、ドロドロに甘やかされた。言葉の通り、彼の物にさえなってしまえば彼はなんでも僕の言うことを聞いてくれた。
怠惰な休日を過ごした後姉の帰宅する日の夕方、姉が帰る前に市川は去って行った。
そのときには僕はもう、彼と離れることに寂しさを覚えるようになっていた。
「次はいつ来られる?」
「そうだな、迎えに来るから次は俺の家に遊びにおいで」
「うん!」
僕は自分から彼の首に抱きついてキスをした。
〈完〉
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最後までご覧いただきありがとうございました。
シリアスめな長編のプロットを考えている合間にむしゃくしゃして思いついたものになります。
リアリティも何もないただのメス男子わからせストーリーでした!
こういう生意気な子好きなんですよね。
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