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第10話 お仕置き再び

市川は有無をいわせず僕をまた部屋のベッドに座らせた。この時点で思い切り暴れれば逃げ出せたかもしれないけど、スマホの電波はまだ戻してもらってないし下半身丸出しで局部にリボンを結ばれた状態で外に出る勇気はなかった。 それに心のどこかで、市川に対して結局最後は助けてくれるんじゃないかという期待があった。正直なところ僕は彼を嫌う気にはなはれなかったのだ。昔から悪い癖だとわかっているけど、自分に好意を寄せる相手にどうしても嫌悪感を抱ききれない。 それに聖司のルックスは僕を不快にさせなかった。 僕は甘い物と可愛い女の子が好きだけど、顔のいい男も嫌いではない。だから僕の友達はみんな美形ばかりだった。 市川は僕の上半身も脱がせて全裸にすると、さっき自分1人では上手く身につけられなかったブラジャーを手にした。 「さあ、他のは洗濯中だからこれを付けてみようか」 慣れた手つきで紐を肩にかけ、後ろでホックを留められる。 「うーん、緩すぎだな。次買うときはちゃんとサイズ測ってあげるね」 「いらないよ。こんなのもう買うつもりない」 僕がぶすっとしているのに対して彼は笑顔で言う。 「え? 何言ってるの。似合ってるじゃん、俺他の色を着てるところも見たいし」 「あんたのために着てるわけじゃない」 こんな目に遭うんだったらもう絶対女装なんてしない! 「え~、でも俺は自分の恋人に好みの服を着せるのが楽しみなんだけど?」 何を勝手なことを。 「僕はあんたの恋人じゃないし、ブラは服じゃないだろ!」   市川はそれには答えず、僕をうつ伏せに寝かせた。そしてその上に乗っかってきて、背中から抱きしめられる。 「本当に口の減らない子だね楓。わからせてあげるのが楽しみだよ」 「そういうのいいからもう離せよ!」 身を捩っても体格差がありすぎて逃げられない。市川は僕が抵抗するのをたやすく封じ込めながら、その手を胸に這わせた。 乳首の先端を優しく擦られ、体がピクリと反応する。 「あっ、やだ!」 「やだじゃない。ここ好きだろう?」 「なんで……んっ」 なんで僕が乳首触るの好きだって知ってるんだよ? 彼は先端を転がすように指先で撫でたり、ときおり摘んだりして優しく愛撫してくる。 「こうしたらもっと気持ちいいかな?」 そして今度は片手を僕のお腹の下に忍ばせ、ペニスを擦り始めた。 「はぁ、んん……、や……」 悔しいけど、市川は触るのが上手くて僕のそこはすぐに硬くなってしまう。 「こうやってずっと優しくしてあげたいけど、楓はわからずやだからね」 どこに隠し持っていたのか、またリボンのような物を取り出して今度は僕の目を覆った。 「ちょっと、やめてよ!前が見えない」 「目隠ししたら身体の感覚に集中できるだろ。これで俺のものになるってちゃんと言えるまで頑張ってみようね」 「そんなこと言うわけない。無駄だからこんなことやめてよ」 「大丈夫。楓はちゃんとできる子だよ」 は? なにができる子だ。 僕の苛立ちには構わず、市川はまたうつ伏せの状態の僕のお尻を持ち上げた。さっき素股させられたときと同じようなポーズだ。 また同じことをするんだろうと思ったら案の定ワセリンの容器を開ける音がした。 さっきされたことなら黙って耐えられそうだと思っていた僕は、ワセリンで滑った彼の指が太腿ではなくお尻の穴に触れたので驚愕した。 「ちょっと待って何!?」 「今度はこっちを使う練習をしようね」 「や、やだ! なんでそんなところ触るんだよ!」 僕は逃げようとしたけど、すぐに捕まって強く抑えつけられる。 「じっとしてないと怪我しちゃうよ。それにさっきのかわいい姿はちゃんと動画に収めてるから、逃げたらお姉ちゃんに見せちゃうよ」 「え!? そんなの聞いてないんだけど」 動画って、いつの間に!? 「俺が初めて楓くんに触る瞬間を撮影しないわけがないじゃない。まぁ、そんなのはどうでもいいからこっちに集中してね」 「いやっ!それやだ。気持ち悪い!」 「こうやってゆっくり周りに塗っていくよ」 「や、やめて……」 少しずつ中心の穴に指の先っぽが侵入してくる。周りをくるくる撫でたり、少しだけ中に入ったり。慣れない感覚に僕は混乱した。 「そして~、だんだん中に入っていこう……」 「やだ……うう……」 ぬぷ、と僕の手よりも太く長い指がその中に入ってきた。違和感がすごい。 「ん……変だよこんなの……入れないで……」 「ああ、いいねぇその声。ぞくぞくするよ」 「ばかぁ。変態! 抜いてよ」 市川は僕の中に入れた指をゆっくり動かし始めた。じわじわと抜き差ししたり、ひっかくように動かしたり。 物理的な気持ち悪さも嫌だけど、それ以上にこちらは目隠しされて何も見えないのに彼には僕の恥ずかしい部分が全て丸見えだという事が耐え難い屈辱だった。

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