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お泊り 3

 拒否されてしまった。もしや、沖がやめてくれるのを待っていたのだが、続けようとしていたので止めたのだろう。  やらかしてしまった。なんて馬鹿なんだろうか。きっと郷田は何もなかったことにしてくれようとしていたんだ。  それなのに優しさを台無しにした。 「……ごめん、女の子の方がいいよね」  いきなり、しかも同性にそんなことを言われても気持ちが悪いだけだろう。震える手を引っ込めて布団から起き上がる。 「別の所で寝るから」  布団をそのままに別の部屋へと向かおうとするが、郷田に待って下さいと引き止められる。 「あの、平気なんですか?」  男のを、と、困惑した顔で見上げてくる郷田に、沖は片足をつき彼の頬へと触れた。 「平気だよ。俺、性別ってあまり気にしないから」  バイなんだよねと、そう素直に告げれば、流石に驚いたようで目を見開く。 「そう、なんですか」 「うん。だから誘っちゃったけれど、郷田君は俺とは違うものね」  沖は正座をするともう一度ごめんと口にし頭を下げた。 「あの、違うんです。俺はあまりそういう経験がないので、驚いただけで」  郷田は恋より仕事が優先らしく、恋人ができても長く続かなかったそうだ。 「それじゃ、これ、ひとりで処理していたの?」 「はい」  そんな話を聞いてしまったら、ひとりよりふたりでする良さを感じてほしくなり、 「やっぱり俺に抜かせて」  もう一度だけ聞いてみる。それでもダメならしつこくしないと自分に言い聞かせた。  なんと返事がくるかドキドキしながら待つと、 「沖さんがよろしのであれば、お願いします」  と郷田が頭を下げた。 「うん」  断られなくてよかった。  郷田の下着をおろせば、おおきなものが天をむいている。体格と同じ、ここも裏切らない。  なんとも雄々しいそれを手で包み込んで、 「いただきます」  躊躇なく口で咥えた。 「え、沖さん、待ってっ」  頬を両手で挟まれて引き上げられて、口から抜けてしまった。 「あっ」 「手で、するんじゃ……」  珍しい。目元を赤く染めて狼狽える姿に、可愛いなと思いつつ、 「ん、口の方が、気持ちいいよ?」  とそれへと舌を這わせた。

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