18 / 54
第18話 輪郭
タクシーから転がりおりるようにして、俺たちはマンションの部屋を目指す。玄関の鍵の解除するのも煩わしいほどで、ようやく玄関に入ると、そのまま康を壁に押し付けて、唇を貪る。大きく口を開けて、まるで康を丸ごと食い尽くすように。康も拙いながらも舌を絡めて来て、お互いの酸素を奪い合う。
康の両足の間に、自分の足をねじ込ませてゴリッと康の下腹部を刺激してやる。
「あぅ……んっ……ん」
康はすでに蕩けた目をして、発する言葉も意味をなしていない。康の白いコットンシャツの中に手を入れ、さわさわと腰を触る。そして、そのまま手を上にずらして、前についた飾りを掠めていく。
「はぁっ……!んっ……んっ!」
それだけで康は、腰をビクビクと震わせた。
「すっごい敏感じゃん、今日はどうしたの?」
「いや……わか……んな……。でも、気持ちい……」
白くて艷やかな頬が、赤く上気している。はふはふと酸素を求めて呼吸を繰り返す様子もどうしようもなく可愛い。
康はトロリとした目で俺を見ると、俺の首に腕を回して自分から唇を合わせて来た。チュッチュッとした軽いものだったが、康から求めてくれたことに堪えようのないほどの喜びが湧いてくる。すぐにまた舌を差し入れてぐちゃぐちゃに口内を暴れ回る。
「はぁ〜~、きもち……い。ちゃんと……覚えていたいから……ヒートじゃない時に……するのもいいね」
なんてことまで言い出した。
なんでこんなかわいいんだよっ、心の中で毒づいて、「康、ベッド行こっか」と努めて優しく囁く。ギリギリ踏ん張って置かないと、また本能が暴走しそうだ。康が、コクンと頷いたので、靴を脱がせるとそのまま横抱きにして寝室へ急いだ。身体中の血が沸騰しそうだ。ヒートをあてられたわけでも、フェロモンを出したわけでもないのに、目の前の康が欲しくてたまらない。
寝室のベッドに康を横たえると、「あ〜ジョシュアの匂いがする」と笑うから、頭を撫でて「本物がいるでしょ」と言うと、お互いの顔を見合わせてクスクス笑った。
俺が、康の白くて柔らかい頬を指でなぞると、目を赤くした康が潤んだ目で、こちらを見ている。吸い寄せられるように瞼、頬、唇にキスを落とす。薄く開いた唇から口内に侵入し、濡れた粘膜を丁寧に舐め回す。
康がキスに夢中になっているうちに、シャツのボタンを一つずつ外していく。顕になった胸の尖りは、きれいなピンク色だ。マッサージするように片方の胸を強く揉みしだき、たまに胸の尖りを掠めるように焦らすと康は、「……あっ、そ、それ……なんか……へんに……なるぅっ!」と両足を擦り合わせるような動きをし始めた。
俺がそのまま尖りをぎゅっと強めに摘むと、「ヒァッ…!」と驚きの声が上がった。
「この前もここいっぱい可愛がったんだよ、覚えてない?」
「わっ……か……なっ、あん……あ……おぼえて……らい」
「じゃあ、今度はちゃんと覚えておかないと」
胸の尖りに吸い付いて、舌で輪郭をなぞる。わざとジュルジュルといやらしい音を立てて舐めあげ、歯で甘く噛むと、康の身体がピクン、ピクンッと跳ねる。
もう一方の乳首も手で、捏ね回して引っ張り、潰してと愛撫してやると、康は熱に浮かされたように「ぁあっ……もっ……下も……さわってぇ」と甘えた口調でねだってきた。
ベルトを外してやって、一気にデニムを引き下ろす。グレーのボクサーパンツは、すでにこんもりと盛り上がっていて、先端からの先走りが、下着の色を変えていた。下着の上からやわやわと粘土を捏ねるように揉んでやると、どんどんと芯が硬くなってくる。
ようやく下着を脱がせると、すでにカウパー液でてらてらと濡れていて、思わずゴクリと喉がなった。
「すごいね、もうこんなに勃起させて。ヒートじゃなくても淫乱なんだ」
「んっ!ゃっ……ちがっ…」
「ん?何が違うの」
ゆるく手で康の雄を上下にしごいてやると、直接的な刺激に「〜〜っあ!んっ……!……ぁっ……」と声が漏れる。「いんらん、ちがっ……!」首をふるふると振って否定するが、悩ましく眉根を寄せて、快感に身をよじっている姿は艶めかしく、俺の興奮剤にしかならない。
ベッドの横のチェストから、ローションとコンドームの箱を取り出す。そして、康の両足を割り開くと、ローションを手に塗り拡げ、窄まった後孔にツプリと指を沈めた。
「ウッ〜〜あぁっ………」
康はかわいい顔を歪めたが、後孔の方の反応は別で、意外なほど従順に指を飲み込んでいく。
クチュクチュとした水音をたてながら、出し入れを繰り返していくと、ヒート期間ほどではないが、中から蜜が溢れてくる。
「康のやらしい汁が、いっぱい出てきてるよ、ほんとすごいね」
「いやぁ〜~あっ……んっ……!んっ〜~!」
そして俺は前回のヒートで見つけた康のイイところ、指で触れられる腹側のしこりをぐっと押し潰した。
「ぁ、……ひゃぁっ!ぁぁ〜~~!」
たまらず康が仰け反りながら、悲鳴を上げる。それでもお構いなしに、しこりにゴリゴリと刺激を与え続ける。
「気持ちいいの?」
「あっ……き、きっもち……いっ!ぁっ……」
「どこが気持ちいいか、ちゃんと言ってみて」
「ぇっ、、、やっ、ここ…こ、こがきもちっ……!」
「ここじゃ分かんないよ」
「〜~~ッァ!………いっ……いっちゃ………!」
俺の指をぎゅうぎゅうくい締めながら、康は身体をビクビクと跳ねさせて絶頂を迎えた。康の雄からも白濁が溢れ出ている。
ゆっくりと弛緩した身体がベッドに沈んでも、康の意識はまだ宙に浮いて彷徨っているようだ。だらしなく口から舌がのぞいている。
かわいいなぁ、思わずチラリと出ている舌を引っ張ると「〜〜んっ!?…やぁ……」と力なく抵抗される。
「ねぇ、まだ終わりじゃないよ」
ともだちにシェアしよう!