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第20話 蹂躙

噛みつくように唇を重ね、がちんと歯と歯がぶつかる嫌な音がしたけれど聞こえなかったふりをする。下唇を軽く噛んで、ジョシュアの口の中を無理やりこじ開けて舌をねじこむ。ジョシュアの舌を探り当てると、舌と舌を絡めて、精一杯愛撫する。 「………っん……んぁ……んん………」 ピチャピチャと粘液が生み出す淫靡な音が頭に響いて、知らぬ間に腰が揺れていた。 苦しくなって息継ぎのために、唇を離したら、二人の間につうと銀色の糸が垂れた。それをぼんやり見ていたら、 「……はぁ……かぁわいな~」 顔をあげると、にやりと口の端を歪めた肉食獣がいた。 そして、肩をトンと押され、ベッドに縫いつけられる。 「優しくしたいけど、無理かもしれない……」 そういうジョシュアの瞳は、すでに肉欲をたたえてギラギラと光っていた。 「…ん。酷くしてもいいよ。……本当に……」 そういうが早いか、ジョシュアはまた俺の瞳を見つめてくる。頭がふわふわして、なんだか気持ちがいい。確かな快感が、皮膚一枚を隔ててすぐそばにあるのを感じるのに、それが手に入らないことが無性にじれったくなる。 「……っも、さわって……」 無意識のうちに、ゆるく隆起した下腹部をジョシュアの足に擦り付ける。そして自分で自分のパジャマの上着のボタンを外す。 一つ、二つとゆっくり外していく手元をジョシュアがじっと見ている。 「………どこでそんな煽り方を覚えてきたんだよ」 耳元で低い声で囁かれると、ぞわりと甘い感覚が背中を走り抜けた。 そして強く唇を塞がれる。今度はジョシュアが俺の口内に押し入ってきて、舌を引き伸ばしたり、軽く噛まれたと思ったらじゅっと吸われたりして、さっきの俺のキスは何だったんだと思うくらい翻弄される。 荒々しいキスによって、身体の中にどんどん熱が蓄積され、さらに増幅していく。 「……っひゃあ?!」 いつの間にか、口内を蹂躙していたジョシュアの舌は、俺の突起を舐っていた。 「……んんっ………やっ!……」 「……なんで嫌なの? こんなに立っちゃってるのに、おかしくないか?」 そしてジョシュアが軽く歯を立てた。 「〜~っひ!……んっ……んん!」 空いた手は、もう一方の突起をグリグリと捏ね回す。押し潰しては、きゅっと引っ張られて、痛みとむず痒さとが襲ってくる。 「……康、気持ちいい?」 こくこくと頷くと、 「ふふ……気持ちいーね。もっと気持ちよくなろ。でもここ病院だからね。声出しちゃダメだよ」 よしよしと俺の頭を撫でる手は優しいけれど、声には有無を言わせぬ強制力があった。 ふーふーと荒い息を抑えながら、俺は頷く。そして気がつくと、服はすべて取り去られていた。 ジョシュアは俺の肌を優しくなぞり、身体中にキスをふらせ、甘噛みしてくる。噛まれた所は甘く痺れが広がって、もう身体に力が入らない。それでもあと少し、絶頂まで登りつめるには足りない。 「じょ、じょしゅあ〜、もっ、さわってぇ……」 「……もう触ってるだろ。違うの?」 焦らされて、恥ずかしくて仕方がないはずなのに、身体も頭も気持ちいいことを求めて溶けてしまう。 「……っ、ちがぅ……ゆび、ほしい……」 にやりと笑うと、意地悪な口とは違う優しい指が後ろの孔に差し込まれた。すでにトロトロと蜜を滴らせているから、ローションなんて必要ない。つぷりと美味しそうにジョシュアの指をなんなく飲み込んでしまう。 「康のここ、ぎゅうぎゅう食いしめてくるんだけど。そんなに欲しかったの?」 「〜〜ッツ、……んぁっ、いいの……じょしゅあの……ほしかったの…」 ジョシュアは、そっと肉壁を擦り、狭い場所を広げていく。けれど、来てほしい場所は巧妙に避けていくから、もどかしくて仕方がない。 子どものようにイヤイヤしながら 「……ちが……気持ちいいとこ……ちゃんと……こすってぇ……」とねだる。 ジョシュアが、ハァとため息をついたと思ったら、孔にピタリと切っ先が擦り付けられる。 そして、間髪入れずにググッと大きな質量のものが入ってきて、思わずヒュッと息を飲んだ。 「〜〜〜っ!………ひっ……おっき……!」 しかし久しぶりに異物を受け入れたそこは、ジョシュアのものを喜んで受け入れ、勝手に蠢き始めた。その快感に脳が溶けてしまいそうになる。 「……挿れただけで気持ちいいの? じゃあ、もうこのまま動かなくていい?」 意地悪なジョシュアに反論できず、涙目になりながら、ゆらゆらと腰をふる。 「……どうしてほしいの? ちゃんと言ってみて」 「……うぅっ……じょしゅあの……ち、ちんこで……ゴリゴリ気持ちいいとこ、いっぱい、こすってほしい……」 ふふふっと、笑うとジョシュアは、腰を動かし始めた。 「ひぁぁぁ………ぁっ………ぁっ!!」 ガツガツと腰骨同士がぶつかるほどの激しさで、あっという間に快楽に飲み込まれる。身体をのけ反らせ、ただあえぐことしかできない。 今まで触れてくれなかったしこりを押し潰すように、激しい挿入が繰り返されるものだから、蓄積された熱はあっという間に高みに押し上げられる。 「………ぁ、……あっ……っく、……い゛ぐ……っ!! 〜~~〜っ!」 ぶるぶると激しく身体を震わせて、強すぎる快感が身体中を通り抜けていった。

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