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第6話~氷の声と、氷の眼差しと、そして……~

「警察官になったの?いつから?」 「こないだLINE送ったろ」 「あっ、そうだった」  確かそんなの来てたな。 「宮田だろうと先輩は連れてかせないからな!」 「連れてくも何も感謝状の打ち合わせしてただけだよ」  へ?? 「先輩?」  こくり 「宮田?」  こくり 「感謝状?」  こくこく  二人が同時に頷いた。 「ATMで真藤さんが声を掛けてくれた高齢者の方が高額詐欺に引っ掛かるところで、詐欺グループの摘発にも貢献してくれたんだ」 「そうだったんだ」  ほっとしたのも束の間。  じゃあ、俺は……  勝手に会議室のドアを開けて、勝手に息巻いて、勝手に怒鳴って……  サァっと血の気が引いた。 「……いづる」  頭上から声が降ってきた。顔を上げられない。先輩……絶対、怒ってる。もう許して貰えない。 「顔を上げなさい」 「ごめんなさ……」  社会人としての謝罪は『ごめんなさい』じゃない。 「申し訳ございませんでした」 「顔を上げろと言っている」 「………」 「では上司としての指示だ。顔を上げなさい。山本君」 「……はい」  震える息でゆっくり俯いた顔を起こした。 「もっと上だ」  これ以上上げたら目が合ってしまう。 「そうか」  フッと吐息が流れた。  グイっと指に顎を持ち上げられて、視線が絡み合った刹那。  唇をあたたかい何かが塞いだ。 (せせせッ)  せーせー!  先輩の唇★

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