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第1話
中学校の入学式。一目ぼれだった。
式典でちょうど2つ隣の席にいたあいつ、吾妻晃誠 に。
きりっと前を向いた端正な横顔に目を奪われた。
凛々しい眉も、長いまつげも、二重で少し垂れ目な瞳も、西洋人みたいな高い鼻も、色素が薄い唇も、その全てが尊く、なまめかしく映った。
私立の中高一貫の男子校。ただ自分の学力でちょうどいい学校を選んだだけで、出会いを期待して男子校に入ったわけでは決してないけど、まさかの一目ぼれだ。
でも、残念ながら同じクラスにはなれず、晃誠と関わることはずっとできなかった。
だから、学校内ですれ違うだけでつい見とれてじっと見てしまう日々が続いた。男子校でゲイだなんてバレたらまずいのはわかっていても、そんな自分を止められなかった。
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