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猫人間

さて、今日1日ヒマになった訳だけど どうするかだよな〜。 この子と。 ゆらは耳をピクンピクンと動かしながら 辺りをきょろきょろ。 時々俺に触れてくるしっぽに ついまた触ってしまいそうになる。 「ねぇ、俺 蓮とどこか遊びに行きたい!」 ゆらはぱっと振り返り俺をキラキラした目で 見つめてきた。 そんな蓮に俺はついにこにこして 俺もそうしたいと頷く。 「あ、でもゆらさぁ、その耳としっぽ 朝起きた時みたいに見えないようにできないの?」 さすがにその中途半端な猫人間は 周りからの目が… 「できるよ!ほら!」 ゆらがそう言うとぴょこんと見えなくなる 耳としっぽ。 ほ、ほんとだ…どうなってんの?すげー。 そう思いながらゆらのふわふわの髪を 触りながらなくなった耳を探してみる。 気持ちいいのかゆらは目を閉じて 撫でられていた。 …ってゆーか、耳としっぽが なくなったらただの人間にしか見えねーな。 「蓮〜!俺をどこかに連れてってよ〜」 目をぱちっと開けて ただの男の姿でも甘えてくるゆらに 俺はなぜか顔が赤くなってくる。 「じゃあとりあえず着替えてご飯食べよ」 「いいけど、昨日の猫缶はもうやだ!」

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