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川の名前

「修学旅行ってなに!」 「皆で色んなとこに行ってお泊まりしたり することだよー」 学校の帰り道で今度 修学旅行がある事を ゆらに話すとゆらは興味津々で聞いてきた。 「へぇー!それって蓮も一緒?」 「もちろん!」 「ほんと!?超楽しみ!!」 俺も楽しみだなぁ 夜は遅くまで起きて皆でわいわいしたり 美味しいもの食べたり。 ゆらが疲れないか心配だけど… でも楽しそうに歩くゆらを見てると 大丈夫そうかな! ……って見てると突然ゆらがピタリと 足を止めた。 「ゆら…??」 「あ……」 ゆらが見てるのはあの日ゆらに出会った あの川。 どうしたんだろ… ゆらの表情は何を考えているか よくわからない。 あ、川で溺れたのを思い出したからだ…!! 「ゆら大丈夫だよ、この川はもう いつもの穏やかな川だよ。」 そっとゆらに近づいて声をかけるけど ゆらの表情は変わらなかった。 「俺、もうこの川には近づきたくない」 トラウマになってるんだ… まぁそれもそうか、死にかけたんだし… 「わかった、じゃあ違う道通って帰ろっか」 「うんっ!」 ゆらの顔はすぐに明るい表情に戻って いつものゆらに俺は安心した。

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