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目を離した隙に
俺は結局違和感を抱えたまま
ゆらと修学旅行を迎えた。
あれからゆらに変わった様子はない。
俺の考えすぎなのかなって思う時もあったけど
日に日に不安は募るばかりだった。
目的地に着いてもどこに行っても
俺の目に映るのはゆらだけ。
あどけない笑顔も無邪気な仕草も全部
目を離したらどこかに行ってしまいそうで
だから俺はゆらから目が離せずにいた。
「あ!蓮〜!やっと見つけた!!」
ボーッと観光地で はしゃぐゆらを
見てるとこえをかけてきたのは眞織。
「あ、眞織。久しぶりじゃん」
「蓮、違うクラスだから見つけるの大変だったよ、なぁ、あそこのお団子食べた?」
「や、まだ何も食べてないよ」
俺がそう言うと眞織は「じゃあ!」って言いながら俺の腕に腕を絡めてくる。
「なに?」
「食べに行こうよ!2人で!」
眞織がこっちに気づいてないゆらをチラチラ気にしながら誘ってきたけど俺は首を横に振った
「ごめん、お腹空いてないから」
「俺は空いてるの!すぐそこだから、ちょっとでいいからお願い。」
眞織の悩殺上目遣いでお願いされたら他の男は喜んでついていくんだろうな…
どうしよう…
まぁすぐそこだし いっか。
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