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真実

「やっぱり蓮にはちゃんと言っておかないとね。ほんとはね、黙って消えようと思ってたんだ!だってどっちにしろ俺の事 忘れちゃうんだからさぁ。」 そんな感じで話し始めたゆらは 始めはまだいつも通りのゆらだった。 話の中の俺の事を忘れるってどうゆう事か 聞きたかったけど、その先の話を 早く聞きたくて質問できない。 するとゆらはポツリポツリとそのまま 話を続けた。 「俺の本当の名前はヨル。 前にね黒猫の親子見たでしょ? 俺の家族だったんだよ。でも俺は可愛がられなかった。双子のお兄ちゃんのアサだけ可愛がられて、だから俺は家族から離れて1人で生きることに決めたんだけど、世の中を知らなかった俺は車に轢かれて死んだんだ。」 車……?? あっ!!!! 車という単語にゆらに出会って次の日 にゆらが車を見て酷く怖がった場面が フラッシュバックした。 もしかして!! 「もしかしてあの日車を怖がっていたのは それで…??」 「あの時は車が怖かったんじゃない。 自分が車で轢かれたって事を車を見て実感してしまったから。…あの時だったんだ。俺が化け猫ってことに気づいたのは…それからはその体質での本能なのかな?消えてしまうってことを悟ったんだぁ…」 自分が消えるって悟ることがどれだけ 恐ろしいことか生きてる俺には分からないが だからゆらは涙が止まらない日があったんだ… ゆらの声は次第に震えていき、そして 瞳には大粒の涙を溜めていく。 「気づいた時にはまたあの川を渡ればまだ消えずに済むことが分かってた。でも猫として生きてた俺は愛情を感じた事がなかったからかな。 このまま蓮と一緒にいて消える方が俺は幸せだって思ったんだっ」 「でも消えるなんて…!」 「どっちにしろ今の俺は消えるんだよ。 来世があるかないかの違い。 俺の魂は掟破りで消滅する。 二度と生き返る事が出来ないだけ…」 そんな悲しい事を言ってるゆらは ちょっと微笑んでいた。 そんなゆらを見て俺は無言で抱きしめる。 「蓮、俺 幸せだよ。このまま消えても後悔なんて無いくらい。蓮に二度と会えなくなるのは辛いけどでも…ほんとに幸せなんだ。」 俺の胸に顔をすり寄せるゆらは 猫の行動そのものだった。 そんなゆらを俺はずっと抱きしめて 離せなかった。

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