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「本当はまた舐めて解してあげたいけど、今日は俺も彰吾もちゃんと抱きたいから。早く準備しないと、ね」 「あ……あっ、んッ」 きつく窄まる箇所へつぷりと指を侵入させ、そのまま押し広げるように前後に揺さぶってやる。少し苦しそうな顔はするが、ローションのおかげで痛みは感じていないようだ。 舌でゆっくりと時間をかけて蕩けさせる行為は気に入っているが、こうして指で葵の中の温度を感じると、早く別のもので味わいたくなってしまうから不思議だ。 「四人しか登録されてないわ、これ。つーか、ほぼ空。なんのデータもない」 「四人?」 「秋吉颯斗、運転手、藤沢馨、藤沢柾」 葵の中を犯す指を増やしながら、美智は彰吾の告げた名前に興味を持った。 颯斗は葵のクラスメイトであり、世話役。職種でしか登録されていないドライバーもどうでもいい。問題は後半二人だ。 「あぁ、ん……んッ」 「カオルとマサキって葵にとってどういう関係の人?」 二本に増やした指で中を解しながらする質問ではないだろうが、逆に乱れさせている最中のほうが口を割らせやすいかもしれない。 「ぱ、ぱと……おじい、さまっ」 「ふぅん。葵は誰と暮らしてるの?二人と?」 葵は美智の指の動きに翻弄されながらも、パパと暮らしているのだと教えてくれた。どうやら藤沢馨という名の父親が、葵をこんな風に躾けた男らしい。 ここまで精神的にも肉体的にも調教するには時間が掛かるはずだ。だからある程度の予想はしていたものの、父親からの虐待を受けていると知ると腕の中の子が哀れに思えてくる。 もちろん、こうして強引に陵辱しているのは美智も同じ。葵を犯すのをやめてあげる理由にはならない。むしろ美智を興奮させる材料になってしまう。 指を曲げて内壁を押し上げ、そして抜き差しを繰り返すたびにぐちゅりと溢れ出る音もまた、美智を喜ばせた。 「で、葵はいつからパパにエッチなことされてたの?」 「え?……アッ、ん……なん、で」 美智のストレートな問いに、葵は珍しく疑問を口にした。本気で誤魔化せていると思っていたのだろうか。妙に達観した素振りを見せるのに、葵はすれていない。その不安定な危うさが可愛らしく映る。 「いつから?」 指を増やしてもう一度問い直すと、葵は分からないとだけ答えた。物心つく前から悪戯を受けていたのかもしれない。 「じゃあこんな風にパパと繋がったのも覚えてないくらい昔なの?」 「あっ、あぁぁぁッ……んん」 軽い体を抱え直して性急に解したそこを遠慮なく貫くと、葵の全身が強張り、美智を拒むようにきつく締め上げてくる。 葵は今のように乱暴に抱かれることには全く慣れていない。虐待には変わりないが、相当大切にされているのだろう。

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