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6*
「お、がた……さ、あぁッ、んーっ」
彰吾を最後に追い上げたのは救いを求めるようにこちらを振り返った蜂蜜色の瞳だった。脈打つ自身から溢れたものが、熟れた葵の中を満たしていく。
「葵」
抜かずにそのまま葵に覆いかぶさり、少しだけ無理な体勢でキスを与えてやると、嬉しそうにきゅんと締め付けてくる。それが愛しいと、そう思った。
これ以上触れていたらまた手放せなくなる。彰吾が体を離すと、美智が待ち構えていたように葵を抱き起こしにやってきた。
「今日もいっぱいイッたね。ベタベタ」
葵の身支度を整えてやるという名目で、力の抜けた脚を割り開き、美智はその中心部に舌を這わせ始める。
「なに、サボんの?」
「ううん、綺麗にしてるだけ」
その言葉通り、美智は後孔に忍ばせた指で二人が吐き出したものを掻き出してやってはいるが、震える器官を執拗に舐め上げる仕草は明らかに快楽を与えようとしている。
「いつもちゃんと触ってあげてないから、今度はここも可愛がってあげないと。ね、葵」
葵は怯えた顔をしながらも、また美智の笑顔に頷いてしまっている。彼はこうして自ら罠にかかりにやってくるのだ。どうしようもない。
ここへ来た時のように綺麗に制服を着せ直しても、葵の表情までは元通りとはいかなかった。まだ余韻に浸るようにうつろな目をして、頬を染めている。
「葵、明日は教室まで迎えに行くよ」
美智のその台詞で葵の瞳にわずかに力が戻る。きっと明日もこうして呼び出されることを覚悟していたのだろう。また別の遊びが始まるのかという恐れも見えた。
「一緒にお昼ご飯食べよう」
どうやら美智は本気だったらしい。ただのランチの誘いに葵だけでなく、彰吾も驚かされる。
「毎日は疲れちゃうもんね」
慈しむように撫でられて、葵はどこか絆されたように頷いていた。犯されずに済んで安堵しているというより、純粋に誘いを喜んでいるように見える。応接室を出る際、ごく当たり前のように美智に手を引かれて、葵もそれを握り返してさえいた。
彰吾も人のことは言えないが、美智よりはまともだと自認している。それなのに、葵はこの悪魔のような男の手口にやすやすと乗ってしまう。
廊下で別れる時にも控えめに手を振り返していた。ほんの少し前までされていたことを忘れたのだろうか。
「明日、彰吾も来るでしょ?」
誘われても彰吾は即答できなかった。別にあえて拒むほど葵と食事をするのが嫌なわけではない。ただせっかく葵を独占できる時間を無駄にしたくないだけ。
予想通り、たった一度交わっただけでは一週間分の飢えは癒えそうにない。
でももう一度確認してきた美智に、彰吾は短く”あぁ”とだけ返した。自分抜きで美智が葵と過ごすことも気に食わない。いや、葵が美智に懐くのが面白くなかった。
二人で共有する玩具に対して抱いてはいけない感情。葵を独占したい。彰吾は腹の内でそんな願望を沸々と湧き上がらせていた。
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