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「いッ、あぁッ…あぁぁ、んん」 葵は己のウエストに巻かれた馨の腕にしがみつきながら、ガクガクと震えだした。馨の指を咥えこんでいる箇所も、ひくつきがきつくなってくる。 この様子を見る限り、もうとっくに達しているのかもしれない。でも溜まりきった欲を吐き出すことは不可能だ。ぐっしょりと濡れそぼるリボンは緩むどころか、更にきつく葵を縛りあげている。 「もっとリラックスしないと。まだちっとも解れてないよ」 「んっ……んんーッ、あぁ」 再び葵の中を探る指の動きを緩慢なものに変えると、彼の背中がぐったりと凭れ掛かってきた。布越しでも、もうすっかり全身が火照っているのが分かる。 葵に告げた通り、中はまだ指二本分しか開かれていない。それに浅い部分ばかりを抉って遊んでいたのだから、奥もまだ閉じ切っている。馨を埋め込むにはまだ早い。 「葵、そのまま力抜いてなさい」 はぁはぁと浅い呼吸を繰り返す葵に言いつけると、馨は再びジェルを絡ませた指を侵入させた。今度はいたずらに葵を喘がせることはなく、ただ熱く絡みついてくる粘膜を広げることに集中する。 本当ならまだまだ葵を泣かせたいところだが、専用の拘束具ならまだしも、ただのリボンで葵を縛っているのだ。長い時間遊ぶには不向きなのは分かっている。 それにいつもよりも激しく乱れ、そして必死に馨を呼ぶ葵の姿に、随分と煽られていた。 手早く最低限の馴らしを終えると、馨はフロントをくつろげ、すっかり昂ったものを取り出した。 「……んっ、パパ」 葵の腰を抱え上げて濡れた蕾に切っ先を充てがえば、葵はまた切なげに馨を求めてくる。葵には嬌声を上げる以外、ほとんど口を開かせないようにしていたが、こうして呼ばれるのは悪くない。 「あぁッ、パパ、パパ」 腰を下ろさせず、ただひくつく箇所をなぞって焦らせば、葵の泣きが酷くなる。鏡に映るその顔でますます馨の興奮は高まっていく。この子はどこまで馨を夢中にさせれば気が済むのだろう。 いい加減、馨も限界だった。 「ひっ、ん…あぁぁッ…や、んん」 「あぁ、すごい締め付け。食い千切られそうだ」 葵の腰を掴みゆっくりと割り開けば、途端に馨を締め上げてくる。ジェルを纏った粘膜に包み込まれるだけでも気持ちがいいというのに、うねるように絞り上げる動きを見せられると余裕がなくなる。 背中のファスナーを開き、両脇から滑り込ませた手で直接胸を摘んでやれば、それは更に激しくなった。

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