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「葵?いいって言ってないよ」
「ぅ、……んっ、ん……」
叱りつけるとすぐに再開されるが、指の腹で撫でるだけの刺激でもまたピクリと体を跳ねさせてしまう。美智に叱られる前に慌てて吸い付いてくる健気さは可愛らしいが、敏感すぎるのも考えものだと思わせる。
「先は長いな」
見学に徹していた彰吾が半笑いで茶化してくる。その通り、二人を同時に満足させられるようになるには時間が掛かりそうだ。
「そもそも、自分が咥えられた経験少ないんじゃねーの?」
「あぁ、参考にするものがないってこと?そうなの、葵?」
集中していた様子の葵は、何を問われたのか理解できずに美智を見上げてくる。だからもう一度丁寧に問い直せば、葵は曖昧な頷きを返して来た。
情事後の戯れ程度に舐めてやったことはあるが、その時の反応を思い出しても、彰吾の読みは当たっているかもしれない。
「パパはあんまり弄ってくれないんだ?でも自分で触って気持ちいいとこぐらいは分かるでしょ」
「……触っちゃ、だめって」
「自分で?そっか、そういう管理もされてるのか」
通りで何度導いても、葵の手は添えられるだけで、口淫の助けとなるような動きを見せることがないはずだ。本当にまっさらな状態であることを知って、美智はますます満たされた気持ちになる。
「じゃあ葵にはまだ色々と早かったのか。今度はもっと前段階から教えてあげるよ」
これで諦めたわけではない。父親の好みでただ受動的なセックスしか知らない葵に、様々なことを仕込んでやりたい。
恋人同士のような甘ったるい行為に慣れた体を、美智と彰吾、二人掛かりで激しく弄ばれなければ満足できないぐらい貪欲に育ててみたい。
「もう時間もないし、今日はこっちでイかせて」
葵の体を引き上げ、正面から向き合うように抱え直す。美智の体を跨がせれば必然的に真下から貫ける位置で肌が触れ合う。
「葵がちゃんと濡らしたから、すぐに入りそうだね」
「あ……、あぁっ」
きゅうと収縮する蕾に先を充てがうと、奥まで引き込むようにしっとりと吸い付いてくる。その感覚だけでも、葵からの幼い愛撫にずっと耐えていた美智には堪らない刺激になる。
「そのまま、自分で腰下ろしてごらん」
美智の命令に、葵は驚いたように視線を向けてくる。これも経験がないのだろう。
喋ることすら制限するほど、人形らしさを求める父親のことだ。やはり葵から動き、求めるような行為は好みではないようだ。
「大丈夫、欲しがっていいんだよ。葵がもっとエッチな子になったら、俺は嬉しい。彰吾もそう」
まるで葵が本心では二人に抱かれることを望んでいるかのように言葉を紡いでいく。腰を撫り、頬や唇に触れるだけのキスを落としながらの懐柔に葵はぐらつく様子を見せた。
「葵」
目を合わせ名を呼べば、葵から腕が回ってくる。甘い香りを纏う体が美智に縋り付き、そしてゆっくりと下降していった。
「あっ、ん……、あぁっ!」
「もう終わり?まだ全然食べてないよ」
一番苦しいであろう張り出した部分は、残っていたローションの滑りを借りて飲み込めたが、それが葵の限界だったようだ。
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