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第245話
アパートの前に着くと、先輩たちが居た。
佐倉先輩と日向先輩は秋哉に話し掛けてるけど、宮藤先輩だけは何故か俺の方に走ってきて抱き付いてきた。
「おっはよー中村くん!」
「おは、よう…ございます」
先輩に抱き付かれるのは最近ではよくあることで慣れてはきたけど、すごい勢いで抱き付いてくるから結構な衝撃がある。
たまに支えきれなくて倒れたりするけど、今回は支えきれてホッと息を吐いた。
「うん、今日も元気そう!」
先輩はじっと俺の顔を見たかと思ったらそう言ってニコッと笑った。
最近宮藤先輩は俺の顔を見る度にそう言う。
先輩がそう言ってくる意味がよく分からない。
とりあえず俺たちは、ここで話してても仕方ないってことで部屋に向かった。
鍵を開けて中に入ると、ずっと閉めっぱなしだったせいか、ちょっと湿っぽい。
俺は真っ先に窓を開けた。
その後、先輩たちがぞろぞろと入ってくる。
「へぇー、ここが中村の部屋かぁ」
佐倉先輩がキョロキョロと周りを見ながらそう言う。
「キレイにしてますね」
と日向先輩も感想を言う。
「なんかイメージぴったり」
そう言って宮藤先輩は笑っていた。
そういえば、この部屋にこんなに人がいるのは初めてだな。
そう思うとちょっと不思議な感じがした。
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