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後日猥談 ─初夜─6

「りっくん……?」  怒らせた、と僕が気付いた時には、りっくんはすでにその上をいっている事が多い。『冬季くんが喜ぶからあまり怒れません』と笑う時は、まだ余裕があるんだ。  でもこうして、無感情な視線で強く射抜いてくるりっくんは、僕が喜ぶ間もないくらいキレちゃっている。 「まったくもって、意味がわかりません。君がそんな風に思っていたという事を、俺は今初めて知りました。不甲斐ないの一言に尽きます」 「え、ちょっ……りっくん? あっ……!」  下着ごとズボンを引き下ろされて、「待って」と止めようとした腕が寂しく宙に浮く。  りっくんの前で全裸になるのは、初めてだ。  しかもこんなに明るいところで。  四つん這いになるよう促されたら、りっくんにお尻を突き出すみたいになっちゃって恥ずかしくてたまらなかった。 「まだ俺が、君に不安を与えてしまっていたなんて」 「あ、あっ……? りっくんっ、待って……あっ」  僕のお粗末なモノをキュッと握ったりっくんが、聞く耳を持たずに一人で後悔を語り出す。ただ、反応した中心部を扱かれている僕にはあまりそれが届いてこない。  りっくんの手で扱かれるのはこれで二回目。初日の快感に衝撃を受けてすっかりビビってしまった僕は、お尻だけじゃなく下半身はダメだとりっくんに我慢を強いた。 「あっ……りっくん……っ」  包み込まれるように握られただけで、イっちゃいそうになる。あったかくて神聖な手のひらを汚すカウパーが、次から次に溢れてくる。  僕はこぼしたくなんかないのに、それは勝手に溢れてはシーツに染みを作る。  背中にのしかかったりっくんが、僕の先端をぬちぬちとカウパーをしみ込ませるように親指でいじった。  手のひらで事足りる僕のモノを、りっくんは竿から玉まで包み込んで、時々会陰にまで中指を這わせたりもしながら追い詰めてくる。  手のひらの温度で程良くぬるくなったカウパーを使って、短い竿を三本指で扱いてるのが分かると一人でにお尻が上下に動いた。  ダメだ……もう出ちゃいそう……っ。  で、でも、いくらなんでも早すぎる。  オナニーとは全然違う刺激に、僕のモノは堪え性無くあっという間に上り詰めようとしていた。  お腹に力が入る。今にも出ちゃいそうで、ヘソのずっと下がひどく切ない。  声も抑えられない。  腰が揺れちゃうのも自分じゃどうにも出来ない。  こうなるのが怖かったから、僕はりっくんに「触らないでほしい」ってワガママを言ったんだ。  だけど、りっくんがその意図に気付いてくれてるのかは正直分からない。  ムリ、出ちゃう── と息を詰めた瞬間に、パッと解放されておあずけを食らわせるくらいだもん。  もしかしたら、僕の反応を見て楽しんでるのかもしれない。  僕がりっくん怒らせちゃったから、恥ずかしいことして仕返ししてるの……? 「やはり愛情に際限など無いんだなと、つくづく思います。〝これくらいであれば冬季くんを怖がらせることはない〟……〝本当はもっと大人げなく縛りたいけれど、冬季くんが窮屈な思いをすれば俺は自分の首を絞める事になる〟……」  握るのをやめたりっくんは重たい愛を口にして、もどかしさに揺れる僕のお尻を両手でガシッと掴んだ。  ヒッ、と喉の奥が鳴ったと同時、ありえない場所がありえないものでツンツンと押された。 「あぁっ? だ、だめっ、だめだよりっくんっ……そんなとこ……っ」 「我慢なんかしなければ良かった。君に任せず、俺がここを解していれば一週間で繋がれたのに」 「ひぁっ……や、め……っ」  ぬめった感触に思わず引いた腰を、りっくんがグッと掴んで元の位置に戻す。そしてさっきと同じ感触が、アナルに伝わった。  ウソでしょ、そんな……っ。  りっくん……僕のお尻舐めてる……っ?  なんで……っ? なんでそんなこと出来ちゃうのっ?  あぁ……ホントにだめ、そんなに中に入れちゃ……っ! 「でも俺は、冬季くんの我儘を聞いてあげたい気持ちが強いので、この先も自分の意見より君の意見を優先すると思うんです」 「ンンッ……んっ……! りっ、くん……! きたない、から……っ」  アナルを舐めては、語るの繰り返し。  お尻を振ってみても、膝を崩してみても、すぐに直されて「ジッとして」と制される。  唾液混じりの舌の先端がぬちゅっと侵入してきた時は、さすがに激しく腰が揺れた。  そんなことまでしなくていい……っ! と叫びたくても、怒ってるりっくんはマジで聞く耳というものを失っていた。

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