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騒がしくてすまんの

「詰んだ…僕ぁもうだめだぁ…理数のみ死んだ…」 「何しょげてんだきいち。俺なんてすべからくやべぇぜ」 「それでなんで平気なのか不思議なんだよなぁ…」 前期期末テストは2教科のみ追試になりました本当にありがとうございましたぁ!!机を涙で濡らしながら、何故か益子は僕の2倍の4教科追試なのに王者のような風格である。むしろ本人は全教科覚悟してたから2教科減ってラッキーとか言っている。何だこの余裕、腹立ってくるわ。 ちなみに学は英語のテストをガン見してわなわなしている。うんうん、今回の英語はチクッと難しかったもんね。後で学に数学もっかいおしえてもらおうかしら。 「やった…やったぞ…」 「きいちー!こいつ1抜け!」 「ほん?」 益子が学のテストを覗き込んだと思ったらわけわからんことを言っている。少しだけメンタル回復してきたので、あとは追試をオカンにばれないようにするだけである。ひょこりと益子同様に学の後ろに回り込んで覗き込んだ。 「は!?!?!?赤点ギリ回避!?」 「配点一点のとこに助けられたな。」 「うおおお追試無し!!」 「僕と益子だけかよおお誰に数学教えてもらえばいいんだァァあ!!」 因みに今回の英語の平均が65点だったので学は66点である。まじで泣きの一点だな!?数学はちなみに平均がさがって55点。紀子先生の目指せ平均65点は夢のまた夢だったのである。数学の平均が70点を超えたら嬉しいなっと言っていたが、それに関してはクラス全員が無理だろうなと思っていたので想定内だ。僕?僕は益子よりいいよ!45点なので余裕で赤点でーすお疲れ様っした。 「まあ?なんというか?日頃の努力?的な感じ?俺は生徒会で忙しくても勉学は学生の本分だし?まあ当然の結果ですかねぇ~?」 「吉崎がバカトリオ抜け出したからってはしゃいでるぞ。」 「みろあの姫のドヤ顔。」 「読経姫今日もかわいいー!」 「ははは、はしゃぐなはしゃぐな。後読経姫引きずってるやつ後で覚えとけよコラァ!」 今日も吉崎親衛隊は元気である。ちなみに先日の野球部三人組も隊員だ。 というか僕と益子も入れた3人でバカトリオとか言ってるやつなんなんだ!!爽やか三人組と言え!! 「ていうか益子はアルファなのになんで馬鹿なの?」 「えっ?なんで急に罵られた俺。」 「確かに、噂によるととっても綺麗な番さんができたんですよね?なんでなの?顔?顔は良いけどアルファでも馬鹿なの?」 「顔とアルファは関係なくね!?!?」 普段益子に集中砲火されることはないので本人のキョドり様がおもしろくてさりげなく動画を取ることにした。んふふ、編集して忽那さんに送るつもりである。 「ゆやたん馬鹿可愛い狙ってんなら姫が特許とってるから駄目だぞ。」 「ゆやたん!?!?」 「ぶわははは!!やばいゆやたん!!忽那さんに言お!!」 「やめろ!!葵にはかっこいいとこだけ送って!!」 吉崎親衛隊の野球部の一人伊藤くんがナチュラルに二人を貶しているけど、あれか。貶し愛か!バッチリそこも含めて動画に収め済みである。男子高校生の日常っつータイトルでどうでしょうか。ぽちりと送信をしたので後で忽那さんからは既読がつくだろう。 なんやかんや和気あいあいと己の恥を晒すことができるこんな一時プライスレスとか言って燥いでたらホームルームの時間になった。 結局体育祭実行委員は先生からのご指名で卓球部の坂本くんと軽音楽部の淡路くんがなることになった。なんでも二人は委員会に入ってなかったらしい。逃げ切れなくて僕も文化祭実行委員になったからなぁ。うん、がんばれ!! 部活が忙しいんで!と逃げまくってたのに部活動に来てない上街で遊んでいたところを担任に見られたとか言っていた。怖すぎぃ! そういや最寄り駅で服装検査とかしてたな。益子が腰パンやめろとか言われてハイウエストにさせられててめちゃくちゃ笑った。 ちなみに忽那さんに会いにそのままの姿で行ったらひとしきり笑われたあと、元の位置に下げられていた。 足が長いのでハイウエストにするとまじで面白くなるのが益子である。ベルト緩められついでに顔も緩んでて僕は横でドン引きした目で益子の顔を見てしまったけどね。 「そういや学はこの後どーすんの?」 「テスト終わったら末永にどうだったか教えなきゃいけねーの。」 「ほほう。」 にやっと楽しそうに笑う益子の脇腹に思わず肘を入れてしまった。学に青春が来そうなのになんで煽ろうとするかなこいつは!!僕たちは孫を見る目で見ていればいいんだよ!! 学は呻いてうずくまる益子を気持ち悪いものを見る目で見たあと、丁寧にテストをファイルにしまい込んで鞄に入れた。僕なんか紙は折って教科書に挟む派なので、こういう丁寧なところを見ると感心してしまう。 「じゃ。」 「あいあい、またあしたね!」 ゆるゆると手を振りながら学を見送る。吉崎親衛隊は集合!!とか言ってわらわら集まって作戦会議をしているけども邪魔はしないだろう。学の健やかな生活を応援し、気付いたら助けてくれる不思議な妖精さん的な立ち位置で活動しているとか言ってた気がする。妖精というよりゴツすぎて野盗のような見た目の集まりだけどな。 益子は追試はともかくとして今日は帰るらしい。親がいない日らしく、なにやら忽那さんを自宅に連れ込むらしい。 ちなみにそんな忽那さんからは先程既読がついて、ゆやたんはお家でお勉強コースですねと捗るオジサンスタンプで返してきた。スタンプがハァハァしてるけど、現実はべっぴんさんだ。わかるけど、なんのお勉強をすることになるのかちょっと邪な妄想をしそうになってやめた。 「ゆやたん忽那さんがお勉強ですねだって。」 「家庭教師プレイか…燃えるぜ…」 それ僕も思ったけど口に出さなかったやつ~!!!

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