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仲良くするのは良いことだ **
ふわふわとした思考の中で、縋り付くように僕の手を握りしめた忽那さんの蕩けた顔が、益子によって齎されたものだと知ると、ぶわりと体温が上がった気がした。葵さんの赤い胸の突起や細身の体がしなるいやらしさは、視覚的にもとても暴力的なくらいの色気をだしていた。。
「ひ、ぁぅ…!っ、」
まるで気を散らすことは許さないと言わんばかりに、俊くんの犬歯が僕の肩に甘く食い込む。その痺れるような痛みに、僕の感度はひどく従順に反応した。
「ほら、よそ見してんな。お前はこっち、集中してな。」
「んやぁ、ぁっあ、は、ぁっ!しゅ、んっ、しゅん…っ!」
「はは、かぁわい…いいこだな、そう、ちゃんとこっちみて、舌出して。」
「んん、む、ふぁ…き、もひぃ…いやぁ…っ」
れる、と俊くんの舌と自分のそれを絡ませて唾液を飲み込む。鼻腔を擽る番の香りがひどく心地よく、僕も忽那さんと手を絡ませたまま、揺さぶられるまま、本能に抗えずに何度も俊くんを締め付ける。
忽那さんの、まるで縋り鳴くような切なく甘い声に共鳴するかのように僕も翻弄されたまま、生なましい水音と体温、そして見られているという背徳的な状況に高ぶりは抑えが聞かなかった。
「は、ぁっゃら、あっゆう、や…いや、ぁっ!」
「ふぁ、あっ、くつ、なさ‥ぁン、っ!ぼ、ぼく、し、んじゃ、ぅっ、んぁあっ!」
「ぁ、ぁっ、きーち、くぅン…っ、いゃ、ぁっお、れもぉ、っ…イ、ちゃ、あっ…」
僕も忽那さんも、いつもなら枕とかに縋れるのに、ここはリビングでそんなものはない。指先を絡めた僕らは顔に張り付く髪すらも振りほどけないほど余裕がなく、互いの番に腰を鷲掴まれた状態で強く揺さぶられながら、甘えるように擦り寄った。互いの頬で涙を拭うように、先ほどの柔らかい唇を思い出すかのように時折唇を重ねる。
それを見た互いの番は咎めるでもなく、戯れる様子に、笑いながら奥深くを何度も抉る。
「っ、はは…かぁいい、な、葵…っ、お前のここ、すげぇ、っ…濡れてる…」
「や、ぁっ!ち、んち…さわ、んぁ、いれ…っ、ひぅ、うっ、ぁあ、あっま、たイぅ、っ!」
「ほら、っ…いいこだ、な?…っ、きいちも、そろそろ…っ…」
「ひぁ、ぁっらめ、ぇ、えっれちゃぅ、よ、ぉっ!んぁ、ぁ、あっあ、っはや、い、っ!も、ぉっ、いやぁ、あっア!」
お互いが互いの番に激しく愛され、何度となく遂情した下腹部はしとどにぬれそぼり、性器が腹を叩く音で恥ずかしい水音を何度も立てる。俊くんが僕の奥を押し開くように、大きな手で腹を圧迫した瞬間、ぐぱりと奥が開く音とともにその丸みを帯びた先端を深く飲み込んだ。
「ぃ、ぁあっ!あ、あふ…ぁ、ぁー‥」
隣できいちくんが一際感じ入った声で鳴いたかと思うと、弓なりにそらした背筋は結腸への挿入の刺激に負けたのかガクリと崩れた。
口端からだらしなく垂らした唾液をそのままにして顔を真っ赤に染め上げた虚ろな顔で揺さぶられる姿は酷く背徳的で、綺麗な顔を己の体液で濡らした顔を見て理解した。ああ、堕ちたんだって。
俺の耳元を支配するくぱ、ぶちゅ、といった恥ずかしい水音は、どこから聞こえてくるのかわからない。俺も腹の中を往復する悠也の性器に何度となく子宮を叩かれ、とてもじゃないけど見せられない顔になっているに違いない。
「ァ、あん、っも、もぉ、もぉやぇて…っ、お、っ…んゃ、らぁ、あっあ!!」
「ん…やめね…ここ、に…っ…出すからな、っ」
「きゃ、ぅっ…あ゛、あっぁあまっへ、ぇっ!れ、ぅ、っ!れぅうっ!!」
慌てて握りしめた性器は間に合わず、ぶしゅりと指の隙間からぼたぼたと潮を撒き散らす。内壁のひだごと引き摺り出すようなつよい抜き差しは、簡単に俺の奥へと熱い奔流を叩きつける。いつもならそのまま動かないのに、今日は少し違った。
「おら、っ…まだ、いけるだろ…あお、いっ…」
「きいち、おまえも…っ、ほら、頑張れ頑張れ…っ」
「ぃア、あっ!んゃ、ら、やぇ、て、ぇっひぅうっ、うわ、ぁ、ぁっン、や、らぁ、あっ!」
「ゆう、ゃぁ、あっ!も、むり、ぃっ…とま、ってぇ、えっいやぁ、あっぁ、ンンっ!」
きいちくんも俺も、もはや限界を迎えたというのにも関わらず、容赦のない攻めに何度も涙を流し、互いの手をよすがにしながら気が狂う様な強い快感に泣き叫ぶ。もう、二人して何度果てたかはわからない。わかるのは、きいちくんの甘い涙といやらしく乱れる体、そして絡めたお互いの指を離すまいと必死だったことだった。
お互いの番から首筋や肩を強く噛みつかれながら、服従することの喜びに身を飲み込まれた俺達は、腹の奥にひどく熱い精液を叩き付けられたことを感じた後、そのまま沈むように意識を失った。
「っはー‥、あ?おい…葵…?」
「やべ、…ヤりすぎて、気絶した。」
自分達の下でドロドロの状態で意識を失っている二人に、しまったという顔をしたのはどちらが先立ったか。益子がそのまま葵を抱き上げると、ずるりと性器が抜けたことで、尻のあわいからどろりと白濁が漏れ出した。
「ほら、これつかえ。」
「あ、わり。つか、興奮しすぎたわ…起きたら殺されるかもしれねえ…」
「はは、くそ、まだたりねぇ…」
「…俺も大概だけど俊くんも絶倫よな。」
うぐ、とぐったりとしたきいちの腹の汚れをティッシュで拭っていた俊くんが動きを止める。自覚があるようで、未だ性器を抜かないところを見るに本当にたりていないらしい。
「…泊まってくか?お湯沸かしてくるからちょっと待ってろ。」
「何から何まですみませんねぇー、」
誤魔化すように性器を抜くと簡単に身頃を整えた後、きいちにシャツを被せて湯を沸かしに行く後ろ姿を見る。
互いの番が酔っ払ってじゃれている姿がなんとも可愛く、思わず二人してやらかしてしまったが、俊くんが相手のきいちは捕食されるのではと思うくらいの激しいセックスに、益子はシンプルに執着がすげえなと思った。
よく見ると、その白い体には項以外も薄く成った歯型がいくつも散らばっており、今日噛み付かれた肩口には少しだけ血が滲んでいた。しかし己の番と恋人まがいな口付けをされたというのに、正直興奮しかしなかった。オメガ同士という理由もあるのかもしれない。
益子は、目元を赤く晴らしながら身を預ける番の体を抱きしめながら、そんなことを思った。
「ついでにベッド用意してきた。今日はそこつかっていいから。俺らそこの扉開けたら寝室だからなんかあったら呼べ。とりあえず先風呂行ってこい。」
「おー、まじたすかる。…ほどほどにしとかんと、翌日こわいぜ?」
きいちの頬をなでる俊くんの目には、いまだ止まぬ情欲のようなものが燻っていた。益子が呆れ気味に指摘すると、わかってるよ…と不貞腐れたように呟いた。
結局益子の注意とは裏腹に、あとから入った風呂からきいちの胎内から己の精液をかき出すのに挿入してしまい、収まりがつかなくなった俊くんが意識のないきいちを抱いたことは益子には言えなかった。
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