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気持ちいいコトはシェアしよう *
「ウッソまじで。すごいとこ泊まるじゃん。末永くん気合はいってんな。」
「うぅ…緊張する…俺だって抱くほうがいい…きいち俺と一緒に寝よ。」
「いやそれを俺が許すと思うか?」
「右に同じく。」
めそめそと僕に抱きつく学をあやしながら苦笑いする。頑張れって、てか学も僕を抱く方だと思ってんの?こんな身長差あるのに心外である。
結局学は末永くんが抱えあげてドナドナされていった。あのままじゃ予定が進まないと思ったのだろう、さすが俺様会長である。
時刻はもう21時だ。始まってから3時間は経っている。どうせ益子はもうちょっと食べてくだろうし、僕もまだはしゃぎ足りない。部屋に戻ると、益子と俊くんがにこにこしながら冷蔵庫からアルミ缶を取り出した。
「おいおいおいおい。」
「ごめん、俺は止めたんだけどね…」
なんとこの悪ガキ二人組み、あろうことが飲酒である!冷蔵庫から取り出したのは甘いカクテルとビールだ。なんだこれいいのか高校生。最初からこのつもりだったようで、忽那さんも諦めたような顔をしていた。
「俺も俊くんもオヤジに付き合わされて飲んでんの。きいちは無いだろ?」
「あるかァ!オカンにバレたら吊るし上げられるわこんなん!」
「なら全部のまねーで一口だけにしとけ。」
益子から缶チューハイを受け取ると、まじまじとパッケージをみる。なんだこれ、桃?アルコール3%のかなり軽いやつらしい。俊くんは無理するなといいつつビールを開けている。おいこら不良め。
「大丈夫、4本しかねーし。たまにはいいだろ。」
「はぁ…今回だけだからね…」
忽那さんも頭が痛そうにしながら渡された紅茶のお酒のプルタブを開けた。なるほど一本くらいなら酔わないかもしれない、俊くんがオレンジジュースを渡してくれ、飲みながら飲めと言われる。なるほど確かに甘そうだ。
恐る恐る一口飲んでみると、やっぱり普通のジュースとは違うけどこっくりとした甘みが強く、桃をそのまま絞ったような甘みが美味しくて、思わずグビリと飲んでしまった。
「ほい、オレンジジュース。」
すかさず渡してきたジュースも合わせて飲むと、見事にマッチしていた。俊くんの飲み慣れたようなチョイスが気になるが、それを気にしたらきりがなさそうなのでポテトを摘みながらその味を楽しむ。
益子も俊くんもビールを飲んでいるのに、全然酔っていない。むしろ飲み慣れているのは本当のようで、たまにお肉を摘むくらいだ。
「ふわぁ…うま…」
「俺の紅茶のもさっぱりしてるよ、飲んで見る?」
「じゃあ僕のと交換しましょ!」
忽那さんのお言葉に甘えて、せっかくなので隣に移動して座ると缶チューハイを交換してみた。
たしかに、なれたアイスティーの香り高い味に少しの甘さが爽やかだった。桃のを飲んだあとだからか、ピーチティーのような味になっていてお口が幸せだ。
なんだか甘いし、ふわふわした気分でとても気持ちがいい。益子も俊くんも、スマホ片手になんだか話していて構ってくれなさそうである。隣の忽那さんも頬を染めながらにこにこしていて、二人で体を寄せ合いながらなんだかとっても楽しい気分になっていた。
「んん、ん…なんらか、今日はとってもいい日だなぁ…」
「ああ、わかるぅ…みんらではしゃいれ、俺が学生のときとかやらなかったから…嬉しい…」
忽那さんが僕に寄りかかりながら、今日のクリスマス会を振り返る。どうやら集まって騒ぐということもしたことが無かったようで、目元を色っぽく染めながらふわふわとした口調で教えてくれた。
「ふふ、僕も…みんらとぱーてぃ…またやりまひょうね…」
「やる…ところで、俺らの番はなーに楽しそうにしてんら…ほっとかれてる俺らかわいそ…」
「初詣のこととかしらべてるんらないかなぁ…ふわぁ…」
ぐりぐりと忽那さんが不服そうにしなから僕の肩に頭を乗っける。僕もふわふわした気分のまま重ねるようにすり寄ると、くすくすと楽しそうに笑った忽那さんがぎゅっと抱きついてきた。
「ふは、きいちくんはかわいいらぁ…俺もこんなかわいいおとうとがいたらいいのに…」
「んん、おにいにゃん…ふふ、こんな綺麗な人が僕のおにいにゃんなら最高れぇす…」
「きいちくんがかわいい…沢山俺に甘えてくれていいからねぇ…」
お互いがぎゅうぎゅう抱きしめ合いながらほっぺを擦り寄せる。忽那さんは甘くてふわふわのいい香りがする、こんなにきれいな人が近い距離で甘えてきてくれるのが僕も嬉しくて、擦り寄ったときに頬に口づけたような形になった。
「あれ、ごぇんなさい…ほっぺちゅーしちった…」
「ん、きーちくんならいいろぉ…おれも、ほら…、ふふ…」
「んん、ふふ…そぇはほっぺじゃないれすってぇ…」
むちゅっと口端に忽那さんの柔らかい唇が触れるのがくすぐったくて、二人で構ってもらえ無い分じゃれ合う様に遊んでいた。お返しに忽那さんの口端にも僕が口づけようとすると、ちょうど僕の方を見ようとした忽那さんの唇と僕の唇が重なってしまった。
「んむ、っ…ふは、ちゅうしちった…へへ…」
「あぁ、まぁきいちくんなら、いいかぁ…っ、」
「僕も、忽那さんなら…んふ、ふ…」
ふざけすぎて気付いたらお互いがソファーに倒れ込んでいた。ちゅむちゅむと柔らかい唇を堪能するかのように二人で遊ぶ。ふわふわの思考の中でするその遊びは、なんだかとろけるようにきもちがいい。忽那さんも気持ちがいいのか、負けてらんないという感じで薄い舌が唇を舐めた。
「ふぁ、ぁにそぇ…ぼくも、ふふ、ん…」
「んぅ、は…きぃちく、じょーず…ふは、っ」
ぺしょぺしょと甘い舌を味わう。時折お互いが飲んていたお酒を口に含んで混ぜ合わせながら飲んでいると、ゴトン!という固い何かを落とすような音がして思わず二人で振り向いた。
「ふわ、なにぃ…」
「んん…うるさ…」
お互いがベロベロになっていただなんて全く自覚がなかった。僕らの視線の先にはにこにこしながら動画を取る益子と俊くんが楽しそうにその様子を見守っていた。
「おいおいおい、ちょっと目を離した隙に随分楽しそうなことしてんな葵?」
「きいち、ほらこっちこい。かまってやるから。」
きょとんとした顔で葵さんが益子を見つめる。両腕を広げる益子の意味を理解したのか、嬉しそうに笑うとさっそく益子に抱きつきに行った。
「俺をほっぽっといたおばかさんはこいつかぁー!」
「んんん~こうなるとわかってたけどかわいいいい!!!」
ぎゅむぎゅむ抱きしめられている葵さんがなんだかうらやましくて、僕も覚束ない足を叱咤して俊くんのお膝に収まった。これこれ、この匂いだ。首に腕を回して抱きつくと、僕の大好きな匂いのするそこに顔をすり寄せながら、ふぅ…と落ち着いた。
「しゅんく…もぅいいの…しらべものはぁ…?」
「終わった。随分可愛いことしてたけど寂しかったのか?」
「ンフフ、忽那さんのくち…ふにふにですき…」
「俺のよりも?」
「んぅ、ふ…やだ、もっとして…」
ちゅ、と甘く口づけされればもっと欲しくなる。俊くんの顔を引き寄せて何度も口づけをすると、隣で子猫の鳴くような声が聞こえた。
「ふぁ、っ…ぁ、うっ…」
「んー、ここ?葵からのキス、もっとしてくれたら触ってやる。」
益子によってカーペットに押し倒された忽那さんが胸元を開けられながら小さく鳴いていた。扇情的な姿に思わず目が釘付けになった僕を俊くんが笑うと、そのまま後からボトムスのファスナーを開きながら手が侵入してきた。
「ふゃ、ぁっ…ここ、で…?」
「隣ばっか気にしてねぇで、こっち集中。」
「きゃ、んっ…」
性器をぐにりと刺激され、思わず体が素直に反応してしまった。忽那さんの方を見ると、益子に胸を虐められながら感じ入った涙目の顔で僕を見て微笑んだ。
忽那さんの気持ちよさそうな顔が綺麗で、僕もふるりと身を震わせる。首を甘噛みされながら、左手で性器を、右で胸の突起をいじられてしまえば我慢ができなくなる。
「ひぅ、っ…はず…かし…くつな、さ…っ、」
「きーち‥く、っ…んぁっ…かぁ、い…」
俊くんの優しい手付きに息が乱れる。益子の手によって翻弄されている忽那さんのそこも、しっかりと主張していた。
「お互いの番はアウトオブ眼中ってか?」
「これはこれで、かわいいけど、な。」
「あー、わかりみしかないわ。」
俊くんと益子のやり取りを聞きながら、手を伸ばして忽那さんの細い手を握りしめた。指を絡め合うようにしてくっつけると、まるで互いの感度を共有したかのように背筋が甘くしびれる。
なんでこんなことになったのかは覚えていないけれど、まるで全身が性感帯になったかのように気持ちのいい感覚が、僕たちのアルコールでとろけて思考を更に追い詰めていったことだけは確かだった。
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