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愛とは眼差しで語るもの **
くちゅ、にゅくり、俊くんの太い指が、出し入れされる度に恥ずかしい水音が立つ。
とろとろとほぐされた後ろの蕾は、もう既に3本も指を飲み込んで、ヒクリと時折締め付けるように収縮する。
俊くんの指によって分泌される粘液が縁を濡らし、指で広げられた僅かな隙間から、まるで呼吸をするかのようにかすかな弾ける音がする。
僕は熱に浮かされた頭で、ゆるゆると腰を揺らめかせながら、物足りないと泣く胎内を慰めるように、自分の腹を撫でた。
「んぁ、あ、あっ、ぃう…っ、んは、ぁ…っ」
「ナカ、すげぇ熱いな。ここ、の奥…もう少しで触れそうなのに…」
「ひ、ぃっ…ゃ、ゃめ、へぇ…ぁ、ァン…っ、ふぁ、あ…っ」
根本まで指を埋め込まれ、バラバラに動かされる。楽しそうに僕の痴態を見つめながら、その唇で挟むようにして胸の突起を挟まれる。だらし無く開いた足は、強い刺激に震えてばかりで情けない。
俊くんが指でしこりを押すたび、跳ねる僕のせいで胸の突起が歯をかすめ、さらなる刺激が齎されて先程から翻弄されてばかりだった。
「ひぃ、ぃ…っ、ぁっ、も、もぉ…いれ、て…!」
この辛い快楽の責め苦から抜け出したくて、必死で手を伸ばして先走りをたらす俊くんの性器を握りしめる。
俊くんがほぐしてくれた蕾を手で開いて、招き寄せた先端をくにくにと縁に引っ掛けるように押し付ければ、つぽんと音を立てて先端が入る。
「ん、…待てねぇの?」
「は、ぁ…ぼ、ぼく…も、もぉ…っ、」
きゅぅうっ、と、飲み込んだ先端を締め付けると、ふるりと快感の波に身を震わした俊くんが、意地悪な顔をして微笑んだ。
「わかった、なら…おのぞみ、どおり、にっ!」
「っーー‥!!」
バツン!乾いた音がぶつかり合うほど勢いよく僕の胎内に插入された太い性器は、そのまま内壁に形を覚えさせるかのようにずりり、と割り開く。
パンパンと暗い室内に、素肌のぶつかり合う音が響くく。激しい腰使いに、あっけなく精液を吹き出しながら音を上げたのは、紛れもない僕だった。
「ひ、ぁ!あっ、ぁあ、んっ!やぁ、あっ!はげし、ぃっい、っ…ら、め…っ、らめぇ、えっとま、っへぇ、えっ!」
「だー、めだ…っ、く…ほら、みて…っ、きい、ち…」
「いや、ぁあっ、ゃ、やら、ぁんっ!ふ、ふか、ぁっ、…!!」
ガバリと大きく足を開かされ、そのまま前屈をするように膝を曲げて結合部を見せつけられる。
ぐちゅ、ぬち、絶え間ない水音を聞こえるようにたてながら、小刻みに激しく揺さぶられると、大きな俊くんの性器が何度もいいところを摩擦してしまう。
「ぁ、あっ!ぁん、っひぁ、あっんぁ、あっイ、イくぅ!イ、ちゃぁ、あっ!」
「まだ、だろ…!」
「ひ、ぁあっ!いや、ぁあっも、ゆぅしてぇえっ!」
ぎゅぷぷ、と激しい揺さぶりに恥ずかしい水音が止まらない。ぶらつく足とともに腹の間をぺちぺちと叩く僕の性器は、先程からプシュッと断続的に精液を撒き散らす。
もうとにかく熱くて気持ちよくて、ぶわりともれる俊くんのフェロモンにあてられて、鷲掴みされた腰の傷みも、愛撫されて腫れた胸の突起も、全部が全部、俊くんから与えられるものだとわかっているからこそ、全て差し出したくなってしまう。
僕の一番弱い、奥の入り口。そこに押し付けられる様に攻め立てられると、じょろりと潮を断続的に漏らしてしまう。それが、律動に合わせて間欠泉のように吹き出るので、俊くんも僕もびしょびしょだ。
「ここ、す、きだ…奥、開けて…えらいな…っ、」
「ひ、ひぅ、は…ぁー‥っ!ん、んぅ、うァ、ぁっン!」
「聞いちゃいねーか。ああくそ、…っ」
「痛、ァっ、んぐ、ぅ、うあ!あー‥あ、っはぁ、…」
肩に噛みつかれ、痛みが強いはずなのに、押し開くように奥の狭い孔をなんども押し開かれ、お腹の中全部がとろけてしまう。
精液が、腹を満たすその瞬間がどれだけ気持ちいいか、僕は知っていた。
「ん、ンぁ…、だ、ひて…っ、僕、のなか…ァ、んっ…ぉく、っ…ぜんぶ…っ、」
「きいち…、っ…あぁ、出す…奥開けろ…全部、飲め。」
「んぁ、あ、あ、あ、っ!あ、ふぁ、ひ、ひぅ、っイ、ぁぁ、イぐ、っ…!!」
ガツガツと貪るように、乱暴に奥を暴かれるように腰を打ち付けられる。股関節がバカになるくらい開かされ、すべての体重をかけるように何度も振り下ろされる。尻にぶつかる俊くんの袋が、茂みが、どれだけ奥まで入っているのか僕にわからせる。胸の突起を強く引かれ、首筋に噛み付かれながら種付けされるように深くまで精液を流し込まれると、子宮がごくごくとそれを飲み込む様にして収縮した。
「あ、ぁ‥、」
「ふー‥っ、ふー‥っ、ぅぐ…、っ…」
ぴくん、と俊くんが腰をはねさせながら、最後の一滴まで流し込む。パシャパシャと俊くんの腹を汚す僕の馬鹿な性器からは、快感と服從することの喜びをダイレクトに伝えてしまうように情けなくお漏らしをし、完全に飛んだ僕を見て嬉しそうにしながらベロリと唇を舐めて愛を伝える。まるで、獣のようなセックスだ。
タガが外れた俊くんが、植え付けられた本能のまま行う激しいマウントの延長上のセックス。
甘くとろける様な好意もすきだが、体中を噛み跡だらけにされるこのセックスがなによりも僕を溺れさせる。
「しゅ…、く…」
「っ、…」
「ひぁっ…」
瞳孔を開いて見つめ返してくる唇を指で撫でる。甘く吸い付かれ、舌の根本を噛まれると少しだけひくんとナカが収縮する。
俊くんの言いたいことがわかって、おずおずと首の後に手を回してぺしょぺしょと俊くんの唇を舐める。俊くんが満足するまで、まるで雌のご機嫌とりのように愛しい番の唇を舐めて性器を締め付ける。
「ふ、…」
「ん、んぁ…」
ようやくお許しがでて、唇を触れ合わせたままお互いの口を開き、舌で道を作りながら俊くんの唾液を飲み込む。甘いそれ吸い付いて何度もねだると、繋がったまま両手の親指でマッサージをするように胸を刺激される。固く凝った胸の突起を揉みほぐしながら、何度も唇を擦り合わせる。
大きな手が、あやすように髪の毛をなでてくれるのを甘受けしながら、鼻先をすり合わせてあまえた。
「しゅん…しゅん…」
「はぁ…、なぁ、もう一回。」
「んゃ、ァ、あっ」
口で語らずとも、目線でしっかり愛を語ってくれる俊くんの大きな背に手を回しながら、僕の僅かな体力を奪うようにして再び体を揺さぶられる。
二人だけの部屋で、獣のような交わりは2回では終わらず、結局僕が本気で泣いて許してもらえるまでに日をまたぐ羽目になることを、このときの僕はまだ知らなかった。
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