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あんまり煽らないでくれ **
「ひ、ぁー‥、っ」
細く甘く鳴いたかと思うと、ぷしゅりと手を濡らす。ぽたりと溢れるほど粗相をしたきいちが息を荒らげながら胸を上下させた。
「ふ…、でちゃったな?」
「ぁ、ぁ…っ、…」
瞼に口付け、びしょりと水分を含ませたショートパンツを下着と一緒に脱がす。ふるりと震えたこぶりなきいちの性器をやわやわと握ると、気持ちよかったのかゆるゆると腰を揺らめかせた。
にゅくりと熟れた蕾から指を引き抜くと、ひくんと物欲しそうに口を開いたのが自分でもわかったのか、膝をすり合わせるようにして足を閉じる。
「とじんな、…なぁ、」
「んん…、っ…いれたいの?」
「…、さきっぽだけ。」
「ふは、っ…言うと思った…」
きゅうきゅうと甘く締め付けてきたそこに、先端だけでも入れたらきっと気持ちがいいだろう。無理強いはしたくないので、ずっとお預けを食らった犬のような気持ちできいちの膝に口付けながら、じっと見つめる。
奥まで入れない、激しくしない。入れたらしばらくは動きません。そういった気持ちを込めて、目で語る。
しばらく見つめ合っていたきいちが、恥ずかしそうに目を泳がせると、小さくこくんと頷いた。
「やだっていったら、やめる?」
「やめる。」
「じゃあ、いいよ。」
顔を赤くしながらよしと言われると、少しだけ浮かれながらベッドサイドのテーブルの引き出しを開ける。久しぶりに使うコンドームだ。そのアルミのフィルムに包まれたそれは一番薄く、以前きいちに選ばせたものだった。
ぴっ、と片手と口でそのフィルムを破く。この瞬間をきいちがみて、きゅうと蕾が締まったことを覚えている。きいちのつぼにハマったのならなんでもいい。以前ときめいた行為を、俊くんはしっかりと覚えていたのだ。
「うぅ、ずるい…」
こうかはてきめんだ!そんなテロップが流れてくるくらいには、俊くんの内側は盛り上がっていた。半年ぶりの挿入である。さきっぽだけだが、シャワーのたびにソロ活動をすることも減りそうで、この一回で終わらないように努めようと心に決める。
はじめてきいちを抱いたときよりも優しくしよう、そうしよう。
ぱちんとゴムを装着させると、馴染ませるように数度扱い、根本までしっかりと纏わせた。
「痛かったり、変だったら殴っていいから。」
「殴らなきゃ止まらないならしないよ」
「だめぇって可愛くおねだりしてくれたらとまる。」
「なんだそれ、あっ、」
また俊くんがお馬鹿なことを言っている。そんな目で見つめてくる番の視線から逃げるように、先端を擦付ける。きいちもびくんと身を跳ねさせ、久しぶりの插入…まあ先端だけだが、に胸元に手を添えながらゆっくりと深呼吸をくりかえす。
久しぶりすぎて、どんなふうに力を抜いていたかわからない。緊張する番の手に指を絡ませながら、まるでお姫様にするように指先に口づけをする。
緊張しなくても痛いことはしないよと勇気づけるように何度も口付けていると、次第にだが緊張も解けてきた。
慎ましい蕾も、先程の行為で縁を潤ませて待ちわびるようにひくついており、お伺いを立てるように数度擦り付けてからプチュ、とかわいい音をたててゆっくりと含ませる。
柔い媚肉は柔軟にその先を受け入れ、久しぶりの舐めしゃぶるような蠕動に腰が溶けるのではないかというくらい気持ちが良かった。
「っぁ、…んんっ…」
「はぁ、っ…」
先端だけ、先端だけと貪欲に奥まで含ませたいという欲望を必死で抑える。一度抜き、きいちの体を横に向けると後ろから抱き締めるようにして再び先端を含ませた。
「ひぅ、う、う、っ」
「こっちのが、楽だろ…」
あぐ、と、項を甘噛みしながらちゅこちゅこと先端を遊ばせて中の反応を楽しむ。きいちは唇を噛み締めながら、必死で理性と戦っていた。
しっかりと口を抑えてないと、もっと奥までと端なく強請ってしまいそうで怖かったのだ。揺らめいてしまう尻も、きっと俊くんにはバレているのだろう。
「きもち、いな…ん、くそ…」
「ゃ、ゃん!ぅ…っ、…っ、」
「も、ちょい…真ん中まで、いいか?」
「ぁ、ぅん…っ、うん…っ、」
ぬくり、と熱い幹が生生しく内壁を擦り上げるたびに、きいちの口端からはだらし無く涎がたれた。
腹に力が入らないよう、体の力を抜く分鋭敏な性感がきいちの身を甘く痺れさせる。
ゆっくりとした抽挿だ。俊くんの荒い呼吸が首筋から伝わってくる。きいちの胎が名残惜しげに幹に吸い付く度に、腰を震わせてぐっ、と入れかけて慌てて止まる。
本当はもっと、奥まで入れたいのに我慢している。その様子がしっかりとわかった。
新庄先生は、なんていっていただろう。きいちは茹だる思考の中、ボロボロの理性を手繰り寄せては快感に馬鹿になりかけている思考で思い出した。
普通にしていいと言っていた。ゴムをつけていたら。
「っあ、んぁ、っ、あ、ふ…っ」
「ばか、っ…だめだ、って…」
「ひ、ぅ…っ!」
「きいち…?っ、」
腰を引き、にゅるりと性器に吸い付きながら俊くんの動きを止めさせた。自分の腰を細い手が押さえながらうずくまる形になったきいちをみて、俊くんはひどく慌てた。腹が痛くなったのかと慌てて性器を抜いて後ろから覗き込むようにして覆いかぶさる。
「おい、大丈夫か!?」
「んぅ、うー‥っ」
ぽろぽろ涙を溢しながらお腹を撫でる。もしかして痛くなってしまったのかと血の気が引く俊くんの様子を見、ふるふると首を振った。
「僕、っ…俊くんのちんちん…ぜんぶほしぃ…っ」
「な、んっ…んんんん。」
「えっちなままでごめんねぇ…っ…」
「ぐは、っ」
本人は腹を撫でながら息子に謝っているつもりだろうが、なんともまあ破壊力が凄い言葉ばかりを口にする。おかげで情けないことに暴発した、こんなことが許されるのかと思う。
きいちがぽかんとした目で精液溜まりに受け止められた俊くんの精子を見る。なんだか恥ずかしいので見ないでほしいのが本音なのだが、出てしまった以上は片付けねばと性器からコンドームを引き抜く。
震えるきいちの手が、その手首を掴んだ。
「も…だめ?や、やっぱ…おなかでてるから…もうしたくない…?」
「はあ!?!?!?」
「うぅ、っ…ゃだ…抱いて、ほし…ごめ、…」
ここ最近の妙なこだわりはこれかと理解する。腹が膨らんだから、見せたがらなかったのは知っている。だけどなにより、俊くんは抱きたかったし触れたかったが、妊娠しているから激しくはしていなかった。それが触れたくないからとかと勘違いしたのだろう。なんということだ。そんなわけないのに。
「きいち。」
「ゃ、やだぁ…」
「あんま可愛いこと言うと、激しくしちまうから少し黙れ。」
「んぇ、っ…」
引き出しから2枚目のコンドームをとりだす俊くんの姿を見てキョトンとした後、尻のあわいに挟まれた先程よりも大きく膨らんだ番の性器の熱さに驚く。
縁を擦るように揺らめかせ、上下させるそれに身を震わすと、むずりと胸が疼く。
「ひぁ、ぁっや、やだぁ…!」
「え。」
ぷしゃ、ときいちの性器から少量の水っぽい精液が溢れた。しかし俊くんの目に飛び込んできたのは、舐めていない胸元が濡れたように艶めいていた。
「んぁ、っ…ゃ…」
ぽたぽたと乳首から垂れたのは、紛れもない母乳だった。
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