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威圧感

「悠眞!」 「先輩・・・?」 なんで、ここに。 ・・・・・・あ、そういえば今日一緒にいるって言ってたんだ。 忘れてた。 というか、風紀の仕事は大丈夫なのかな? 僕のせいで遅れてたりしなきゃいいのだけれど。 「瀬野、そろそろその意地悪い言動は慎め。 お前にいくら言われたからと言って俺達は別れないぞ」 「っ・・・長谷川様!ですが!!」 「お前の言動全てが、俺の親衛隊の意向であれば、俺は親衛隊を解散させる」 「なにを!?」 「悠眞を傷つけるだけの存在、その親衛隊は俺にとっては要らないだけだ」 「そんなっ・・・・・ですが!ですが長谷川様!! 皆はただ長谷川様のことが好きで、・・・好きでっ」 「想ってくれるのは構わない。 だが、その想いが憎しみとなり悠眞を傷つかせるようなら、俺はお前らに倍にして返してやる」 「ちょ、先輩そこまではさすがに・・・」 「それくらいの気持ちだと言うことだ。心配するな」 ・・・・・・本当にそう思っているのだろうか。 目が結構本気だった。 先輩って、怖い(今更)。 って。 今思えば先輩3年生。僕1年生。 威圧感があるのなんて当たり前なのかな。 僕、1年生だし。ひよっこだし。 うん、決して僕がちっちゃいとかそんなことはないと思う。 「・・・・・分かり、ました。申し訳ございませんでした。 それでも我々は、諦めたわけじゃありませんから!」 「・・・・・・」 ここで先輩何か言い返せばよかったのに。 ・・・まあ取り敢えずは、瀬野先輩からの嫌がらせ?はなくなったわけだけど。 事実、親衛隊からのあの嫌な視線と陰口(悪口)は止まらないわけで。 はあ。 無視したいし気にしない!って思うけどそれも無理で。 もう別のことでも考えれば気にしなくて済むのかな。 ・・・いっそのこと先輩にベタベタするとか? だめだ。そんなのうざすぎる。 ただでさえ今僕自身うざいと思うのに・・。 「悠眞。今何を思っているのかは分からんがもっと甘えろ」 「甘える?・・・でも、僕今でも甘えてます」 「例えば?」 「えっと、・・・・・えっと、・・なんだろう。 で、でも甘えてます!」 思いつかないけれど、・・・。でも、甘えてる。 そんな自覚はある。 そんな必死な様子に周りの生徒はなんだ?と悠眞と聖人を交互に見やる。 ・・・そうだ、ここ人いっぱいいる。 「出ないということは甘えられてないんだ。 甘えろ、いくらでもいい。どんな形でもいいんだ。 俺に、めいっぱい甘えてくれ」 「めいっぱい、・・・甘える」 「ああ」 どうやって、甘えればいいんだろう。 皐太くんに・・・・?ダメだ、普通、恋してた相手に、恋人の甘え方を聞かれたらショック。 うーん、誰に聞こう。 いっそ母さんとか? 大丈夫、母さん何気鈍感だから気づかないでしょ。

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