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それでも僕は
・・・例え代用品だったとしても、僕は、先輩の為なら何でもする。
だって、今の自分があるのは、先輩のおかげだと思ってるから。
僕は、偽りの笑みを貼り付けよう。
誰にもバレなかった笑顔。
まさか、こんな形で先輩に仮面姿を見せるなんて、思いもよらなかった。
「・・・・・・どうした?急に」
「いいえ、何でもありません。
胸じゃなくて、ちゃんと続けてください」
ふわり、と笑ってみせた。
どうかな。
ちゃんと、笑えてるかな。
そう、見えてるかな。
「今日はありがとうございました、おやすみなさい」
続きのセックスをしてからホテルに入り、それぞれ別の部屋で寝ることになった。
先輩は、気づいてなかったようで。
・・・よかった。けど、ちょっと胸がズキン、としたのはなぜだろうか。
バタン、
「僕は、代用品、か」
悲しい。けれど、これが現実。
嫌だ、なんて思うけれど駄目なんだ。
折角、信頼できる人が出来たと思ったのに。どうして、先輩まで。
今日はなんだか寝られそうに無い。
疲れた事は、疲れたんだけど。
寝られないからいつもの通り睡眠薬も飲まなくちゃ。
もう、何がなんだか分からない。
自分が、分からない。
───────薬。
今では全部で7錠。
睡眠薬。いっぱい飲めば、死ねるのかな。
首をしめたって、死ねなかった。
これで、死ねるとは思えないけれど。
でも、死んだら迷惑かかるかな?
父さんにも、母さんにも。
はぁ、・・・考えちゃだめだ。
もう、寝よう。
考えるのは今度でいい。
1錠1錠、袋から出していく。
その度に、虚しくなっていくんだ。
いつまでこの生活が続くんだろう。
薬なんて、なくなればいいのに。
「いや、僕がいなくなればいい」
一言だけ、ぽつん、と呟いた。
その言葉を最後に、眠りに落ちた。
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