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ついでに

「それにね、出来ればこの子と一緒にいる時は無言にならないであげて欲しいんだ。 悠眞は無言の状態に酷く恐怖を覚えるからね・・・」 政信叔父様分かってたんだ・・・。 やっぱり、色んな人に迷惑かけてるなぁ、僕。 僕は、もっとしっかりしないといけない。 人に迷惑をかけないように。 僕自身が、ちゃんとしないと。 「分かりました」 「ああ、そうだ。 悠眞、この学校で分からないことや不安なことはあるかい?」 「一応各教室の位置とかは覚えたんですけどやっぱり勉強が・・・」 「ああ、そうだったね」 「勉強か・・・、教えてやろうか?」 「長谷川君、今から話す事はあまり周囲に話さないで欲しいのだが大丈夫かね?」 「え..え、まぁ、はい。大丈夫です」 妙に真剣味を含んだ顔で叔父様が先輩に僕の持病、そして精神的なことについて話し始めた。 「悠眞は"てんかん"という病気なんだ。 この子の場合、症状は眩暈や立ちくらみ、意識消失。 意識消失は大体数年に1度あるかどうかなんだが悠眞は2、3ヵ月の間に2回も意識消失をおこしていてね。 薬は飲んでいるが症状が抑えきらていなくてね。 いつ倒れるか分からないんだよ。 それに、最近は収まってきているが眩暈や立ちくらみもことある事におこっていてねぇ・・・。 ふらっ、と倒れることもあるんだが階段だと特に危ない。 だから君にはもし、悠眞が意識消失・・・発作をおこして倒れたりした場合の周囲の対応をして欲しいんだ。 ・・・いいかい?」 「・・・そういう事ですか、はぁ」 悩み込む聖人。 だがまだある。 「それにもう一つ、悠眞は社交不安障害なんだよ」 「社交不安障害?それは・・・?」 「前までは社会不安障害と呼ばれていたんだがね。 社交不安障害と言うのは・・・そうだね、つまり簡単に言うと内気や恥ずかしがり屋の更に重度の病、ということかな。 悠眞は5段階中5という重度な社交不安障害だ。 医者からの説明だと、外に出れず、1歩も部屋から出てこれないひきこもりの様な段階らしい。 まあ悠眞は引きこもってはいないがね。 ここに来るまで、悠眞は笑顔を絶やさず明るく接していただろう? それに話しやすかったんだと思うんだがね・・・」 「はい、そうでした」 「その心の中は酷く、恐怖でいっぱいなんだよ」 笑顔の裏に隠されている感情。 その心は表現し難い程の恐怖。 黒で、塗りつぶされているかのような色。 「・・・・・・」 それでも、僕は笑顔を貼り付けて話をする。 ・・・僕は、困らせたいわけじゃないのになぁ。 「え?」

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